GDP = 一人当たりGDP × 人口
...ですから、人口が減るとGDPは減る方向に進みます。
一人当たりGDPの伸びが、
人口減を大きく上回らない限り経済成長はありません。
現在の日本の実質GDPは、
リーマンショックや震災の年以外は
ずっとプラスで推移しているので、
今のところ一人当たりGDPも増加中です。
日本より早く人口減少が始まっているドイツは、
景気が良いじゃないかという主張もありますが、
実はドイツの一番人口が多い年代層はまだ40代後半です。
40代後半はまだまだ元気で消費も活発だし、
定年退職までまだ15年以上もありますから、
人口減と言っても、労働力人口はさほど減っていない。
一方日本では、団塊の世代が60代前半にさしかかっていて、
どんどん退職していくため、今後は予断を許しません。
労働人口が減れば生産も減りますからGDPを減らします。
ここが日本とドイツの違いです。
※日本の人口ピラミッド
http://populationpyramid.net/ja/%E6%97%A5%E6%9C%AC/
※ドイツの人口ピラミッド
http://populationpyramid.net/ja/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84/
高齢化もGDPを押し下げますし、デフレ要因にもなります。
というのも年をとると、
食い物にも服にもお金を使わなくなり、
増えるのは医療費だけだったりします。
年をとると、収入がこれから増えるとは考えられないので、
日常的な出費は節約して、お金を持っていても使わないんですね。
30代・40代人口が増えると経済成長が起こるという話は、
以前も書いたと思いますが、日本ではこの年代も少ないため、
経済成長にはマイナスですね。
この人口の変化や年齢構成と経済成長率の関係は、
リフレ論者も知ってるはずなのに、
全く言及しないテーマです。
黒田日銀総裁も、人口減や高齢化は、
リフレ政策とは関係ないという主張のようです。
日銀としては金融政策しかできないので、
考えても仕方が無いのは確かですが。
しかし人口減は消費者の数が減るわけですから、
消費が減ってモノが売れなくなりデフレにつながります。
また定年退職で収入が減る高齢者が、
消費を控えるのは普通の行動ですから、
高齢者人口が増えれば消費は確実に減りデフレになる。
人口減や高齢化が強いデフレ要因なら、
インフレを起こしてもすぐに萎んでしまう。
だってインフレになったら人口が増え、
高齢化が止まるわけではないので。
最後にインフレ誘導は、
何年も続けることができない政策です。
これもリフレ政策に対する批判点です。
2%インフレをずっと続けるためには、
物価を上げ続けなければいけませんが、手段がありません。
国債乱発やばらまき政策で日本円をたたき売りして、
円安に誘導するのにも限界があります。
というのもデフレ懸念が起これば他の先進国も、
通貨安政策に舵を切るはずだからです。
また為替の世界では、
8年が一つのサイクルだと考えられていて、
来年(2015年)の春までに円安はピークを迎え、
円高方向に向かうと考えられていますから、
円安でインフレを維持することも無理でしょう。
前日銀総裁の白川さんも頑なに拒否していた政策です。
というのもインフレを起こせば景気が良くなるというのは、
通常の経済学では荒唐無稽のアイデアですから。
・景気が良くなる→モノがよく売れて供給不足になる→インフレ(ディマンド・プル・インフレ)
あるいは
・人手不足になる→賃金率が上がる
→コストが増えるので販売価格上昇(コスト・プッシュ・インフレ)
...というのが通常コースで、逆は考えにくい。
人為的に無理矢理インフレを作ろうとすると、
投資価値の無いお金のばらまきばかり増えて
ハイパーインフレが起こる可能性だってあります。
またたいていの国はインフレで悩むことはあっても、
デフレで悩むなんて事は、滅多に無かったですし。
ところが日本で93年にバブル崩壊が起こり、
土地神話崩壊による信用収縮が起こり、
デフレが何年も続く事態に陥りました。
そこでリフレ政策の提唱者の
ノーベル賞受賞経済学者のポール・クルーグマンのリフレ案が、
先進国でも注目され始めたわけです。
ところがこのリフレ政策、果たして
バブル崩壊で土地神話が崩壊した日本経済に当てはまるのか?
高齢化と人口が減り始めた日本経済に当てはまるのか?
...ってところが大きな争点です。
まず土地神話の崩壊は、日本経済を根底から覆しました。
というのも土地さえ持っておれば、
とにかく銀行からお金を借りることができたから、
企業は不動産を担保にして借りた金を、
思うままに使って経済活動ができたわけです。
たとえ事業に失敗しても、
土地が値上がりして埋め合わせてくれたし。
しかしバブル崩壊後は、そういうわけにもいかないので、
融資責任を負いたくない銀行員を、
なんとか説得できないとお金は借りれなくなりました。
かわりに増資による資金調達しようにも、
多くの日本企業は銀行借り入れで経営していたので、
他に資金調達の手段がない中小企業で
黒字倒産も相次ぎましたね。
今回のアベノミクス政策では、
REITという不動産開発債権を買い上げることで、
不動産の再開発と不動産価格の維持を図っています。
ただしこれは土地神話の再構築ではなく、
不動産価格の下落を押しとどめる程度のものです。
そのために公共投資を増やし、同時に減税します。
ところが安倍政権では公共投資は増やす一方、
増税のオンパレードです。
消費税率3%アップ以外にも、
所得税増税・住民税増税(給与所得控除額引き下げ)
相続税/株式売却益税/自動車税/固定資産税
贈与税最高税率引き上げ/石油石炭税(ガソリン税)/
社会保障費や診療報酬も引き上げ
...と言う風に、細かな増税を山ほど実施しています。
これらの増税のオンパレードで、
個人の可処分所得を削っているのに、
消費を増やせと言ってもムリでしょう。
ただでさえ消費税率アップが
消費を減らすのは見えているんだから、
他で増税すべきではなかったはず。
実際、消費税導入時や5%へ増税したときも、
所得税や住民税は減税措置を執っていましたし。
ところが安倍政権では、円安誘導でインフレを起こした上、
消費税増税のショックをやわらげるどころか、
増税のオンパレードでドンドン税負担を増やしてしまった。
円安でモノの値段は上げる、
税金も増やして可処分所得も減らす。
これで消費が伸びたら、やっぱりおかしいでしょう。
民主党政権では、インフレはなかったから、
消費税率アップしても影響は限定的だったはずなのに。
※日本の10月の消費者物価上昇率は2.9%
http://ecodb.net/article/-/288.html
※7-9月GDPは2期連続マイナス成長、1.6%減-予想と逆行
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NF075C6K515801.html
・失業率低下
・賃金率アップ(時給アップ)
・株価上昇
です。
でも実は、これら3つはアベノミクスとは、
直接的には関係ありません。
というのもこれらの動きの多くは、
民主党政権の末期から、
すでに起こっていた現象だからです。
たとえば、
(1)東日本大震災の復興需要で全国的に人手不足 → 失業率低下
(2)若年労働人口が減ってキツい仕事に人が来なくなった → 賃金率アップ
(3)アメリカやヨーロッパの企業業績回復による株高
→ドル高・ユーロ高スタート(2012年8月)→円安 → 株価上昇
さらにリーマンショックで塩漬けになっていた株の含み損が消え、
資産効果が発生して、高いものがよく売れるようになった。
この3つの改善は、インフレになる前の話ですから、
リフレ(アベノミクス?)とは根本的に関係ないんですね。
ただアベノミクスの成果のように宣伝しているだけで。
だいたいアベノミクス政策の効果が出てくるのは、
実施後、半年以上はかかるはずですから。
で、「黒田バズーカ」による過剰な円安誘導と、
2014年4月の消費税率3%アップで、
無理からインフレを起こしたわけですが、
なんと前年同月比で3%しか物価が上がっていない。
消費税分で2%アップ、
円安政策で2%アップを見込んでいたのに、
3%しか物価が上がっていない。
しかもインフレ率はジワジワ下がっている。
2年前に1ドル80円だったのが、
1年前には1ドル100円になったので、
輸入品は25%も値上がりしているはずなのに。
そして肝心の経済成長率も、
4月-6月はマイナス7%7月-9月でマイナス1.6%(年率)で
2四半期連続でマイナスになるという信じられない数値。
4月までの駆け込み需要の後とは言え、
増税後の落ち込みは限定的だという報道も色々あったのに。
2四半期連続でマイナスというのは、
景気後退のサインとされてますので、
景気回復はどこへ行ったって感じです?
そこで黒田日銀総裁は、つい先日、
第二弾の大幅金融緩和に踏みきり、
円安を1ドル118円までさらに進めましたが、
これ以上の円安が日本経済に何をもたらすのか、
誰にもわからない状態です。
というのも安倍政権がやってる政策は、
2%のインフレに誘導したら、
景気が良くなると言ってやってるだけですから。
公共投資をバンバンやってお金をばらまく。
その資金は日銀による国債買い入れで調達する。
ムダな公共投資を行ったり、株やREIT
(Real Estate Investment Trust 不動産)を買い入れたり。
そうすると通貨(日本円)が市中にあふれるので、
日本円の価値が下がってデフレを脱却。
その結果、景気が良くなる(?????????)。
こういうのを「リフレ(リフレーション政策)」と言いますが、
本当に景気が良くなるかは賛否両論ですし、
随所に矛盾が発生していて、非常に怪しい政策です。
このリフレーション政策というのは、
経済学者のアーヴィング・フィッシャーが元祖だそうですが、
フィッシャーと言えば「異時点の予算制約」が有名でしたね。
異時点の予算制約というのは、
未来の収入を考えてお金の使い道を決めるという式で、
たとえ今お金がなくても、来月お金が入ると思ったら、
借金してでもその分を先に使うっていうやつです。
もっと一般的に言うと、
近い将来に収入が増えると思うから、出費を増やす。
逆に収入が減ると思うと、出費を減らす。
こういう風に人間はお金を使うので、
景気を良くするには将来に対する
「イメージ」が重要だってことです。
借金してでも欲しいモノを手に入れるというと、
お金にだらしない人だけの話のように思いますが、
実は住宅ローンなんかも同じ考えですから
経済に与える影響は予想以上に大きい。
なのでインフレを起こして定着させれば、
値上がりする前に買っておこうという動きが出てくるので、
モノがよく売れて景気が良くなるって事ですね。
消費税増税前にモノを買い込むみたいなことが、
日常的に起こるという感じです。
ただしこれは必需品に関してのみ言えることで、
インフレが起こっても収入が増えなければ、
買うモノは増えるどころか減ります。
というのも必需品が値上がりした分、
他のモノを買う余裕がなくなりますから。
つまり「実質賃金が下がっている」わけで、
これでは景気は良くならない。
ここで矛盾が一つ発生しているわけです。
(1)インフレで物価が上がるので、
早めにモノを買う(必需品は売れる)→景気が良くなる
(2)インフレで実質賃金が下がるので、
買うモノの数が減る(嗜好品は売れない)→景気が悪くなる
高いものがよく売れているというニュースもありますが、
これは株価が上がった事による資産効果のせいで、
インフレとはまた別の話でしょうね。
アメリカは、貧困者に厳しい国だと思われていますが、
低所得者に対する補助金給付も膨大です。
この膨大な低所得者層への補助金は、
財政をも圧迫しているため、なんとか減らしたい。
そこでやり玉に挙がっているのが、
マクドナルドなどの企業の時給が安いことです。
マクドナルドのようなファストフード店で1日8時間週5日、
フルタイムで働いても生活が成り立たないので、
補助金を申請して受け取っている家庭が非常に多い。
フルタイムで働いていても生活費に困るというのは、
いくら何でもおかしいのではないか、
これはマクドナルドなどの企業が本来支払うべき時給を、
補助金を当てにして、低く保っているからだという
意見が出てきました。
低所得者への補助金を、マクドナルドなどの企業が
詐取しているんじゃないか、って事ですね。
そこで最低賃金を引き上げるように
オバマ政権は勧告を出しているんですが、
この権限は州政府にあって、反対している州も多いんです。
というのも最低賃金を上げすぎると、
せっかく誘致した企業が他の州に逃げる可能性もあります。
それなら職種別に最低賃金を設定すれば
良いじゃないかと言うことになりますが、
同じ飲食業で働くレストランのウエイターなどは、
最低賃金が低くてもチップで生活できるので、
最低賃金が引き上げられると、
かえって仕事先がなくなるんじゃないかと危惧しています。
マクドナルドなどのファストフード店では、
チップは受け取らないので、そこでも差ができています。
▼words ※アクセントは<!>で表示
self-sufficient 自給自足の
food stamps (フードスタンプ)
アメリカの低所得者向けの公的扶助(補助金)で、
食料品を買うことができる金券。
クレジットカードやデビットカードみたいなカードで、
家族一人あたり毎月、約1万円くらいの食料品が買える。
2000年には、2,000万人くらいしか受給者がいなかったが、
今では5,000万人前後の受給者がいるとされる。
▼この記事のデータ
・所要時間:8分56秒
・リスニングの難易度:並
【ユーチューブ】
Life on Minimum Wage
松井珠理奈が、ずっとパーを出し続けて優勝したので、
またまた八百長疑惑が出てますが、
勝ち残った16人のメンバーを見ると、それはなさそう。
というのも毎日ぐぐたす(グーグルプラス)で
48メンバーの動向を追いかけている私でも、
知ってるメンバーは、たったの6人しかいませんから、
無茶苦茶なメンバー構成ですし。
それにそんなことをしたら 他のメンバーが所属している
芸能事務所から文句が出るでしょうしね。
八百長だとしたら、シナリオが悪すぎるし、
すぐにバレるような方法はとらないでしょう。
さて、私が一番面白かったのは、準決勝の
「NMB48えみち 対 AKB48/SKE48大場美奈」戦でした。
かたや、5月に東京ドーム・シティで行われた、
グループ全公演コンサートで唯一チケットが売れ残り、
集客に奔走したチームBIIキャプテンの「えみち」。
一方、エース「ぱるる」がいながらも評判が芳しくなく
去年の夏に解散させられた
旧チーム4のキャプテンだった大場美奈。
「えみち」はNMB48予選から勝ち上がっているので、
ここまで7連勝くらいしてたはずですが、
なんと互いにグーを出し続けて5回連続でアイコ。
3回目くらいからはもう、
どちらが変えてくるかという読み合いです。
最終的には、大場美奈がチョキを出してしまって自滅。
相手がパーを出してくると思ったんでしょうけど、
えみちはグーで押し通して勝ちました。
後から考えると、出すならあそこはパーでしたね。
相手がパーを出してくればアイコですし、
グーのままならば勝てるわけですから、損はありません。
ところが大場美奈はチョキを出して
負けてしまうところが面白い。
決勝では、珠理奈がパーで、
えみちがグーを出して珠理奈の勝ち。
これはもう「しようがない」の世界です。
実は去年の決勝も、
チョキを出し続けて勝ち上がった「ぱるる」と
パーを出し続けて勝ち上がった仁藤萌乃の対決でした。
これもやっぱり、仕方がない勝負。
というのも、1対1の武術やスポーツの試合では、
「勝負に行くときは、自分の一番信頼している技で勝負する」
もんなんです。
というのもそれ以外のことをやったら
確実に自滅するし後悔するから。
なので、一手目で勝負がつく場合はもう、仕方がない。
で、さらに興味深かったのが翌日の「笑っていいとも」で、
松井珠理奈が司会のタモリさんとジャンケンをした時のこと。
珠理奈がパーを出し続けて優勝したと分かってるのに、
アイコの連続になりました。
珠理奈はパーを出すことがわかっていたので、
チョキを出せば簡単に勝てるはずなんですが、
お互いにパーを出し合ってアイコの連続。
そして最後はなんと、タモリさんがグーを出して自滅。
準決勝とそっくりな展開でしたが、
ひょうひょうとしたタモリさんですら、チョキが出せない。
「ここでチョキを出したら何を言われるかわからない」
...ということで、チョキを出せない心理状態になって、
最後は負け手であるグーを出してしまったわけです。
このあたり、かなり面白いですね。
特にアイコになった後に、何を出すかって性格が出そうです。
]]>http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324255404579071801286545402.html
ウォールストリート・ジャーナルは、
アメリカの投資関連情報誌なので、
かなりシビアな見積もりを出していますね。
というのも経済波及効果というのは通常、
「減る分」を計算に入れないので、盛りすぎなんですね。
これでは経済に与える「本当の波及効果」が計算できません。
具体的な例を挙げると、関西では阪神タイガースが優勝したら、
経済効果が500億円になるなんていいます。
これは阪神を応援するための応援グッズが売れたり、
甲子園球場へ応援に行く交通機関の利用客が増えたり、
家で野球中継を見る時に飲むビールの消費量が増えたり、
、、、という風に、増えた出費を積み上げて計算します。
しかし家計収入自体は阪神が勝とうが負けようが、
大して増えないわけですから、
応援のために増やした出費の分だけ、
他の出費を節約しているはずなんです。
となると、経済効果◎◎兆円!!!と言っても純増じゃなく、
実際に出費が増えるのは、その数十分の一程度なんですね。
だからウォールストリート・ジャーナルの記事でも、
オリンピックのための公共投資が増える一方、
それ以外の公共投資が減るので、
純増分はおそらく数千億円規模だと書いていますね。
また新たな投資による波及効果についても、
東京圏は、すでに充分発達した地域ですから、
あまり波及効果もなさそうということになります。
日本経済は、世界第3位の500兆円という規模の経済ですから、
7年間で数千億円の純増では、0.1%にもなりませんしね。
もちろん、気分によって出費が増えると言うことはあります。
というのも人間は、将来の収入見込みによって、
現在の出費を考えるからです。
来月、百万円の収入があるとわかったら、
今月百万円使っても良いかな、と思って使うわけです。
オリンピックで景気が良くなって収入が増えそうだ、と思えば、
出費が増えて景気がさらに良くなると言うことです。
しかし収入が増える見込みがなければ、
出費を増やそうにも出す金がないわけですから、
実際の純増はわずかになる。
ウォールストリート・ジャーナルでは、
そのあたりを計算に入れているわけでしょうね。
「北京五輪の集客効果などを参考にすると、 日本の観光産業も世界水準並みになる」として、 観光業の拡大が牽引(けんいん)役になると指摘。現在、観光が日本の国内総生産(GDP)に占める比率は
約5%にすぎないが、今後7年間で約10%に倍増して、
95兆円の経済効果を生むと試算した。さらに道路整備など政府のインフラ投資でも55兆円の
経済効果が出ると分析した。
うーん、さすがにこの試算は、嘘くさいですね。
経済波及効果というのは、
オリンピックがなかった場合と比較したときの増分
(いくら増えるか)なんです。
だから道路整備のインフラ投資といっても、
60年前にできて老朽化した首都高速などの
建て替え投資が主でしょう。
この場合の投資は
オリンピックがなくても発生していますし、
道路が作り替えたからといって、
物流が劇的に変わるわけでもないんです。
多くの会場も既存施設を改築して作るので、
新たな施設の建設もごくわずか。
観光産業の成長にいたっては、
これはもう希望的観測にしか過ぎませんから
「何を夢見とるんやこのオッサンは」レベルです。
同じ記事では、東京都の試算も紹介していますが、
こちらは「約3兆円」という多少堅実な試算です。
東京都は五輪招致決定で13年~20年までの7年間の
国内経済への波及効果について約3兆円と試算。内訳は都内で約1兆6700億円、その他地域で
約1兆2900億円と算出した。業種別では飲食店や宿泊、広告などのサービス業が6510億円と
最も波及効果が大きく、建設業の4745億円、
小売業などの商業が2779億円で続く。
こちらの試算内容は、「直接波及効果」で、
2次波及などは入っていませんが、
波及効果の乗数効果は成熟経済では1に近くなるので、
まあ3~5兆円程度って考えるべきでしょう。
となるとGDPに与える影響は、1年あたりたったの0.15%位でしょうか。
日経でも紹介されてますね。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0302Y_T00C13A9GO2000/
一方、ウォールストリート・ジャーナルでは、
3兆円でも大きすぎるとしています。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324255404579071801286545402.html
純増分は数千億円程度で、波及効果も大してないという理由ですね。
]]>
私は、今回の本命は、近年、経済発展がめざましい
トルコの首都、イスタンブールかと思ってました。
というのも現在のトルコはイスラム国で、
オリンピック開催が決まると
イスラム圏初のオリンピックだからです。
トルコは西側諸国との関係も良好ですし、
民主化に成功したイスラム国ですから、
他のイスラム国に良い影響を与えるという思惑もあり、
多くの国がイスタンブールに
投票してもよい理由がありました。
2位が同数だったため行われた、
東京抜きの投票では多数を集めていましたしね。
しかし近隣国のシリアの2年にわたる内戦や
化学兵器使用問題が発生したり、
トルコ自体も政権に対する不満でストが続いていて、
残念ながらまだ、平和裏にオリンピックを
開催できる状態ではないという判断になったようです。
アメリカやフランスなどの覇権国家は、
地中海沿岸の
ギリシャ→トルコ→シリア→レバノン・ヨルダン
→イスラエル→エジプト
という陸続きの国々を、西側友好国にして
中東問題の解決を目指しているのでしょうが、
イスラム世界の宗派対立に乗っかる形で、
イランの背後にいるロシアと対立しているので、
膠着状態がまだまだ続きそうです。
お盆が過ぎたら、入試本番に向けた勉強法に
切り替えが必要です。
というのも春から夏にかけては、
気温が徐々に上がっていきますが、
お盆の頃から今度は気温が
徐々に下がっていくからです。
これが何を意味するかというと、
「これから決断力がどんどん落ちる」
...ということです。
たとえば夏の間は片付いていた部屋が、
冬になるとなぜか片付かずにごちゃごちゃしている。
そんな経験がある人も居るでしょう。
これは決断に要する時間が、
夏と冬で異なるからなんです。
たとえばアメリカのバークレー大学が、
迷路を解くのに要する時間を測る実験では、
解けるまでの時間が冬と春では全く違っていて、
なんと冬は春の1.8倍も時間がかかったそうです。
迷路を解くには脳の回転力や決断力が必要ですが、
冬は春の倍近く時間がかかってしまうというわけですね。
だから冬場に部屋の片付けをしようとしても、
片付けるモノが必要なのかどうか判断するのに時間がかかり、
結局そのまま放置してしまう「決められない現象」が起こり、
部屋の片付けが滞ってしまうわけです。
これは試験になると如実に現れます。
というのも入試は1月2月の真冬に行われますから。
私なんか、分数の微分で何度も受験を失敗しています。
分数の微分の公式を書き出して計算しているのに、
なぜか答えが出なくて、何十分もロスしたあげく、
正答に辿り着けないという経験を何年もしました。
ところがその問題、
アパートに返る途中に解いてみると、
ちゃんと解けるんですね。
これは恐らく、入試のプレッシャーと冬の寒さで、
頭がちゃんと動いていなかったということでしょう。
冬はうつ病の発生率も高く、
冬季ウツなんていう言葉もあって、
とにかく脳の判断力が落ちます。
なのでお盆が過ぎたら、入試本番まで、
判断力を鈍らせないように気をつけて
勉強しないといけないわけです。
片付けも、冬が来る前に
さっさとやっておいた方がいいですね。
「時間は、未来から過去へ流れる」
という話も載っていました。
未来が過去に影響するという話は、
新スタートレック(TNG)の最終回で、
そんなテーマのストーリーもありましたね。
宇宙が崩壊するような特異現象が起こったので、
その原因を調べに過去にタイムスリップするんですが、
どういうわけだか、過去に行けば行くほど酷くなっている。
原因は未来にあった、という話でした。
これはSFだからかなり特殊な話ですが、
しかし時間が、過去→現在→未来という風に
流れているというイメージは、一つの見方に過ぎません。
人間は過去から未来に向けて歩いていくわけですから、
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
生きている人間の視点で見ると、
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
出来事は未来からやってきて過去に流れていくんです。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
今日の出来事について考えてみると、
今日の出来事は明日になると昨日の出来事になり、
来月になると先月の出来事になり、
次の年になると去年の出来事になって、
どんどん「現在」から遠ざかっていくわけです。
そして過去の出来事がどんどん現在から遠ざかる一方、
未来からは新しい出来事がドンドン現在にやってくる。
未来からやってくる新しい出来事に対処していたら、
過去に囚われているような暇などない。
森田療法などでも、
「理屈をいってもわからないから、ただ働きさえすればよい」
...なんて言って、とにかく目の前の仕事を
成し遂げることに集中せよと言いますが、
過去にどんな悲惨な出来事を体験していても、
現在、生きるためや自分の目標に向けてもがいておれば、
過去の体験が心に占める割合はドンドン小さくなり、
やがて単なる過去になるってことですね。
トラウマやPTSDは確かに後を引きずりますが、
これは過去が現在を縛っているわけではなく、
現在の話です。
これは危険回避のための仕組みであって、
危険ではないと脳が覚え直さない限り、解除されません。
逆に現在を決めるのは、未来です。
経済学では、予算制約といって、
未来の収入(見込み)が現在の支出水準を決めるとしています。
来週、来月、来年、10年後に収入があると考えるから、
今、お金を使うというわけですね。
過去が現在を決めているなら、
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
過去を変えない限り現在は変わりませんが、
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
未来が現在を決めているのであれば、
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
未来を変えれば現在は変わります。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
将来◎◎するから、今、■■する。
これが前向きに生きるって事ですね。
苫米地さんの「英語は逆から学べ」という本では、
英文を読むときに、知らない単語の意味を予想しながら読んだり、
先に出てくる話を予想してから読むことを薦めているんですが、
なぜそうすると良いのか、という話です。
脳というのは、色んな物事を記憶します。
ただし優先順位があって、どうでも良いことは記憶しません。
優先順位とは、「自分の命に関わるかどうか」
「生存のために必要かどうか」ということで、
命に関わることや生存に関わることは優先的に記憶します。
たとえば熊や虎といった猛獣に出会うと危険だから、
そういう経験をすると絶対に忘れない。
また熱いモノに手を触れると火傷するということは、
一度経験しただけで覚える。
嫌な経験をすると、その場所に近づきたくなくなるのも同じで、
嫌な経験→起こった場面を記憶→似たような場面を避ける
...という風に行動するわけですね。
一方、安全なことは殆ど覚えません。
毎日同じような生活を繰り返していても、
昨日何やったか殆ど覚えていなかったりします。
昨日のことは覚えていても、2日前、3日前、4日前という風に、
さかのぼっていけば、殆ど何も覚えていない日が多いでしょう。
つまり生存に関わるような事件が起こらないと、
記憶には残らないわけです。
たとえば勉強ができない子供に多いのが、
親や兄弟に甘やかされて育った子供。
3人以上の兄弟での末っ子は
「責任感がない」なんてよく言われますが、
親や兄弟がずっと面倒を見て、
自分の代わりにやってくれると、
面倒なことは他人がやるもので、
自分でやらなくて良いのだと理解して、
面倒な勉強や作業は他人にやらせようとする。
こういう子供は、勉強は興味があるモノだけしかやらないし、
やる気がなくなるのも速いので、全然勉強が進みません。
勉強みたいな面倒くさいことをやらなくても、
親や兄弟に欲しいモノをねだればもらえるんですから、
やらないのは当然ですよね。
だから、目を離すと答えを見て写して
終わりにしようとしたりする。
「できるようにならなければならない」という強迫観念がなくて、
逆に「面倒なことは他人にやらせるのが賢い」とでも思っているようです。
勉強ができなくても怒られない、
勉強ができなくても、おやつも小遣いももらえる。
これでは、勉強しなくても生きていけるので、
勉強しませんよね。
つまり何かを覚えようとしたり、
習慣付けしようと思ったら、
とにかく失敗をしないとダメって事です。
これを勉強に生かすには、
「答えを予想して失敗する」というのが一つの方法で、
予想が外れたらなぜ外れたのかが気になり、
そして次は失敗しないようにしようという風に
頭が動き始めると言うことです。
一番やってはダメなのが、
答えや要点を見ながら問題を解くことで、
これをやると失敗をしないから覚えない。
要点なんて覚えるモノなのに、
見ながらやるから覚えないし、覚える努力もしない。
勉強ができない生徒って、たいていこれをやってます。
要点をまず覚える
→覚えた知識で問題を解く
→間違えたりウロ覚えだったら、要点を覚えなおす
こうでないと、
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これまでは古代ギリシャと古代ローマから帝政ローマ、
イギリス議会の成り立ちから下院の優越、
二大政党制の成立までを、すでにまとめた。
今回は1900年に結成された
イギリス労働党の歩みを中心に、
第二次世界大戦後の「ゆりかごから墓場まで」時代から、
サッチャー政権、ブレア政権をまとめる。
というわけで現在2冊目の本を読んで
メモを作っている最中。
さらにあと2~3冊の本を注文したので、
それを読みながらページを作っていく予定だが、
同じイギリス労働党について書かれた本を読んでいるのに、
視点が違うとまったく記述が異なるから大変だ。
現在読み終わった本は、
「これが英国労働党だ」林信吾
「英国労働党 社会民主主義を越えて」吉瀬征輔
それぞれ99年と97年に出版された本。
どちらもブレア政権成立までの話なのだが、
片方は、ブレア政権で初当選した新人議員の半生と、
労働党の内部闘争に焦点が当てられ、
もう片方は、労働党の社会民主主義の議論に
焦点が当てられて書かれている。
前者はいかに労働党が苦難のすえ、
18年ぶりに政権を奪回したかという話なので、
労働党が大敗北した鉄の女サッチャー首相と、、
イギリス最大の影響力を持つ炭坑労組との闘いが
数ページかけて詳し目に描かれている。
だが後者はもう「あの炭労ストの敗北が...」といった表現で、
ほんの数行で済まされている有様。
イギリス政治史の一つの象徴的な出来事だったはずだが、
社会民主主義の理論に焦点が当たっていると、
形而下の下世話な事件って事らしい。
しかしイギリス労働党の歴史を調べていると、
共産主義や社会主義がいかに
矛盾に満ちたものかわかるね。
労働党は労働者の党であり、
労働組合が支持母体の政党だ。
その労働党が政権に就くと、
今度は労働組合と対峙しないといけなくなる。
経営者から管理や支配を受ける立場にある労働者が、
今度は経営者の立場に立って管理や支配を行う。
そうすると経営者の立場から必要な政策が、
労働者の利益を大きく損なうことが起こる。
経済が順調に成長している時代は、
分配できるパイ(資源)が十分にあるから良いが、
経済が停滞すると、限られたパイの奪い合いが起こる。
そこで政府が企業を国有化して、
調整すればよいというのが社会主義の考え方であるのだが、
第二次世界大戦後に基幹企業をすでに国有化してしまい、
原理的に完全雇用を達成してしまっていた。
そこでインフレが起こる度に労働組合がストを行うが、
労働者の多くが公務員・だから賃金がどんどん上がる。
そのせいでまたコスト・プッシュ・インフレが起こり、
さらにストが起こるといういたちごっこから
抜け出せなくなっていた。
労働党が政権にいる間は社会主義国状態で、
労働者の待遇改善はしないといけないが、
賃上げは抑止しないとインフレが抑えられないという
ジレンマに陥っていた。
最期には労働者の党でありながら、
労働党が政権に就くと労働者と対峙しないといけないので、
だんだん労組と労働党の間に亀裂が入っていき、
労組はどんどん左傾化し勝手にストを始める有様。
そして1978年に公務員労組が長期ストを始めて、
病院も学校もゴミの回収も灯油の配達も止まるという
「不満の冬」と呼ばれるひどい事態に陥ってしまう。
ここでイギリス国民は労働党に愛想を尽かし、
18年間に渡って保守党に政権を任せることになる。
このままイギリスも日本のように、
政権交代がない国になってしまうのではないか、
...ということさえ言われ始める。
ここにいたって労働党はとうとう労働者の党をやめて、
生産手段の公有化を目指す社会主義と決別する。
やっぱり、社会の特定の階層の利益を代表するような政党が
政権を担うと矛盾がデカイって事だな。
※文章が書けたら順次サイトにアップしていきますので、
是非見てね。
どうやれば成績が上がるか、
どうやれば合格点が取れるか。
この問い自体は、まっとうな問いだと思う。
ただしそう言うことを尋ねてくる生徒にも、
二通りある。
つまり「今でも目一杯勉強している生徒」と、
「今でも勉強量が全然足りない生徒」だ。
今現在、目一杯勉強しているのだが、
学力が上がらないと言う生徒にアドバイスするのは簡単だ。
こういう生徒は基本的に、基礎学力のどこかに穴があるか、
「覚える」ということが足りないだけだから。
覚えて使えるようにしておくべき「技」が、
全部揃っていないものだから、
そこから上には行けない状態にいるって事だ。
最低限必要な基礎知識、
いわゆる「要点」に書いてあることが、
使えるレベルまでしっかり身についていないから、
ある程度以上の成績が取れないのだ。
なのでこういう場合は、
センター試験レベルの薄っぺらい問題集を用意して何度もやるか、
ニューアクションβだとか解法の研究だとかいった、
網羅的参考書を最初っから全部やり直せばよい。
どちらをやるかは、入試までの残り日数で決めればよいが、
とりあえず薄っぺらい問題集を何度もやって、
全問正解できるところまで練習すればよい。
しかし「勉強量が足りない」生徒が、
効率的な勉強法を尋ねてきても、
アドバイスをすることはほとんどない。
勉強量が足りないのだから、勉強量を増やす必要があるが、
こういう質問をする生徒は、そう言う答えを望んでいない。
東大や京大を目指している人が、
1日10時間以上も勉強しているのに、
ほんの2~3時間の勉強で、てっとりばやく学力が欲しいらしい。
効率的な勉強法を探している暇があったら、
勉強時間をまず2倍にしろ。1日5~6時間は最低勉強しろ。
そう言っても、何だかんだいって
勉強時間を増やせない理由を言ってくる。
相談に乗る気も起こらんね、もう。
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