東京オリンピックの経済波及効果、150兆円はないやろ

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大和証券のシニアストラテジスト木野内栄治さんが、
オリンピック開催の経済効果が150兆円にもなるという
試算を発表したようです。


日本経済回復 起爆剤に 波及効果、最大150兆円予想も

「北京五輪の集客効果などを参考にすると、 日本の観光産業も世界水準並みになる」として、 観光業の拡大が牽引(けんいん)役になると指摘。

現在、観光が日本の国内総生産(GDP)に占める比率は
約5%にすぎないが、今後7年間で約10%に倍増して、
95兆円の経済効果を生むと試算した。

さらに道路整備など政府のインフラ投資でも55兆円の
経済効果が出ると分析した。


うーん、さすがにこの試算は、嘘くさいですね。

経済波及効果というのは、
オリンピックがなかった場合と比較したときの増分
(いくら増えるか)なんです。

だから道路整備のインフラ投資といっても、
60年前にできて老朽化した首都高速などの
建て替え投資が主でしょう。


この場合の投資は
オリンピックがなくても発生していますし、
道路が作り替えたからといって、
物流が劇的に変わるわけでもないんです。

多くの会場も既存施設を改築して作るので、
新たな施設の建設もごくわずか。

観光産業の成長にいたっては、
これはもう希望的観測にしか過ぎませんから
「何を夢見とるんやこのオッサンは」レベルです。

同じ記事では、東京都の試算も紹介していますが、
こちらは「約3兆円」という多少堅実な試算です。


東京都は五輪招致決定で13年~20年までの7年間の
国内経済への波及効果について約3兆円と試算。

内訳は都内で約1兆6700億円、その他地域で
約1兆2900億円と算出した。

業種別では飲食店や宿泊、広告などのサービス業が6510億円と
最も波及効果が大きく、建設業の4745億円、
小売業などの商業が2779億円で続く。


こちらの試算内容は、「直接波及効果」で、
2次波及などは入っていませんが、
波及効果の乗数効果は成熟経済では1に近くなるので、
まあ3~5兆円程度って考えるべきでしょう。

となるとGDPに与える影響は、1年あたりたったの0.15%位でしょうか。


日経でも紹介されてますね。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0302Y_T00C13A9GO2000/


一方、ウォールストリート・ジャーナルでは、
3兆円でも大きすぎるとしています。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324255404579071801286545402.html

純増分は数千億円程度で、波及効果も大してないという理由ですね。