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数学がわからない3

数学がわからない3

 私は高校生時代、物理がよくわかりませんでした。
 どういう風にわからなかったかというと、公式は知っているけれど「何でそうなるのか」というのが腑に落ちなかったからです。

 たとえば物理の核心である、ニュートンの運動方程式。
    F=mα
   (※最近は高校でも、大学の物理と同様、mα=Fと表記します)。

 これは(力の大きさ)が(物体の質量)×(物体の加速度)に等しい、ということですが、その意味が全然よくわかっていませんでした。
 だから、F1+F2-mα=0なんて言う式を、平気で書いていました。
 ひどいときには、F1+F2-mα=Mβ+F3なんていう式なども書いていたように思います。

 だから、F1+F2-mα=0なんて言う式を、平気で書いていました。

 ひどいときには、F1+F2-mα=Mβ+F3なんていう式なども書いていたように思います。

 要するに、中学の力学の延長で「力の釣り合い」として、運動方程式を捉えていたんですね。

 ですから、単純な力学の問題は解けていましたが、複合的な問題となると、英文の和訳のように、知識をつぎはぎしてこじつけて解いていました。

 運動方程式というのは、

 (ある物体に働く力の総計)=(その物体の質量)×(その物体の加速度)

であり、その物体に働く力を全て書き出したら、他はもう考えなくてもよいのですが、その辺のところが、私にはどうしてもよくわからなかったのでした。

 それが大阪のY予備校で『難問題の系統とそのとき方』という超ロングセラーの著者である、服部先生の講義を聴いて、やっと「ああ何だ、そうか」とわかったのです。

 ★ はたらく力を全て書き出したら、後は考えなくていい ★

 たったそれだけのことですが、私にとっては驚天動地のことでした。

 そして力学の殆ど全部で運動方程式が関わっており、何でもかんでも運動方程式で解くのだと知って、やっと目が開いたのです。


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●わかったと思うかどうかは、イメージできるかどうかの問題!
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 服部先生は京大の理学部出身で、ノーベル賞を取った江崎玲於奈さんの弟と同級生だったと自慢していらっしゃいました。

 そしていつも「京大なんて、簡単ですよ」と口癖のようにおっしゃっていて、物理の話や大学の話をよく話され、生徒の背中を常日頃から押していらっしゃいました。

 私が京大に行こうと思った一番の原因は、この服部先生のお陰だと思っていますが、その先生の講義で、私は運動方程式がやっと理解できました。

 等式の左に、その物体に働く力を書き、右にその物体の質量とその物体の加速度を書く。ただそれだけですが、ちゃんと使えるようになりました。

 運動方程式に対して、高校時代、そういうイメージができていなかったのが、イメージができてから「わかった!」という気になったのです。

 数学がわかるかどうかというのも、実は物理と同様イメージが必要なのです。

 前回、数学は虚学であると書きましたが、数学だって様々なイメージがあり、背景にもいろいろな現象やエピソードがあるのです。

 微積分は、ニュートンやライプニツが確立したのでまだ150年くらいしか歴史はありませんが、幾何などは古代エジプトや、ギリシア時代から、もう何千年もかかってできあがっています。

 幾何がエジプトでなぜ発達したかというと、エジプトの中央を走るナイル川が毎年氾濫し、その後の農地の区画整理をするのに必要だったからだ…といわれています。
 
 また確率論は、ポーカーで必勝法を研究するために発達したとか、そういう話もあります。

 物理の力学も、実はビリヤードの研究から発展してデカルト→ニュートンとつながっています。

 微積分は、天体の運行や、樽の中の酒の量を計算するのに発達し…などという「伝説」も、そのイメージを掴むのに役立つでしょう。

 ですから数学だって、実は実用性から説いてもいいはずなのですが、学校のカリキュラムは逆に無機質で抽象的なところから始まって、それから「利用」という風に進むというやり方です。

 人間は、意味のわからないことを延々続けるということはできませんから、もし数学の必然性を疑問に思ったなら、それが元々なんのためにできたのか、数学史関連の本を読んで調べてみるのも一つの解決策かもしれません。

 敵のタカを知るのも、一つの攻略法ですから。

お薦め本:
魔術から数学へ 講談社学術文庫森 毅 (著)
京大の名物教授だった、森毅(もりつよし)先生の数学史の本。小数や分数が300年くらい前にできた、比較的新しいモノだとか、結構面白く読みました。

因みに私は工学部時代に、数学演習と数学8(微積続論)と言う森先生の授業を選択しました。が、後期の試験問題は「ダイバージェンスとローテーションの感覚の違いを述べよ」でした。しかも問題は持ち帰って(前期の答案と一緒に)期限までに出せばよいと言う太っ腹。
ただし解答を作るには、数学科の友人の手助けが必要でしたが。


大数学者に学ぶ入試数学1A
大数学者に学ぶ入試数学2B
こちらは、東海大学の秋山仁先生の、高校数学の背景について紹介した本。問題もそこそこたくさん載っています。

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