組織の経済学・マレニヨム

昇進トーナメント

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        組織の経済学・マレニヨム!

          第094回(2001/10/01)

            雇   用

         「昇進トーナメント」

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 人間はなぜ組織を作るのか。組織の中で個人はどのように動く
 のか。そして経営者と組織自体はどういう方向に自らの形態を
 変えていくのか。経済学の観点から学びます。
  テキストとしてポール・ミルグロム&ジョンロバーツ箸の
 「組織の経済学(NTT出版)」をご用意下さい。BNは↓
  http://www.asahi-net.or.jp/~GA2A-MYZK/
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 復習?
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●「比較業績評価法」:
 売り上げ自体を評価するような直接的な方法ではなく、他人の業
績や全体の景気動向などから仕事業績を評価する方法。
 ここではその人間があげた売上高や利益の額によって報酬を決め
る「インセンティブ報酬」とは別モノと考えておく。

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          昇進トーナメント

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■昇進トーナメント
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 業績の良い者を昇進させ、高い賃金の仕事に就けるという形態の
インセンティブは、「比較業績評価法」の特殊な形である。

 この場合、このシステムは「トーナメント」となり、少ない昇進
のイスを巡って勝者と敗者が別れるという形になる。

 だから同等の成績を上げた者が二人以上いても、昇進のイスが一
つしかなければ僅差で待遇は天と地くらい分かれることになる。

 そしてイスが空けば、大してよい業績を上げていない者が昇進し
てしまうという場合もある。
 
 だがしかし、業績に応じた報酬を与えるというシステムにおいて
も「トーナメントは唯一の効果的なインセンティブを与える」ので
ある。

 たとえば難しい仕事を任せられている社員Aと、比較的容易な仕
事を割り当てられているBという二人の社員がいるような場合、業
績で判断すればBが高給をもらうことになる。

 だがしかしそうなるとAに対しては何のインセンティブも与えら
れないことになろう。そう言う場合に「昇進トーナメント」は、A
に対してもインセンティブを与えることができる。

 というのも昇進に関しては、業績評価は「量ではなく質によって
判断される」からである。

 トーナメント方式はまた、企業の経営者が「業績給をケチる」よ
うな恐れがある場合にも役立つ。

 企業の経営者は、自企業の業績が判断しにくいような場合に業績
に応じた給料やボーナスを支払うのをためらうことが多い。

 そう言う場合は業績がどうであったのかは第三者にはわからない
が、昇進ならそれがハッキリする。

 すなわち業績を上げたものを昇進させないと有能な社員が流出す
る恐れがでてくるし、そう言うことがハッキリすると、従業員を積
極的に仕事に向かわせる動機付けができないからである。
(→不完全なコミットメント)

 だから、業績給をケチる経営者であっても昇進システムは避けて
通れない。

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■昇進トーナメントの問題点
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 もちろんトーナメントにも問題点はある。

 それはトーナメントが「順位」に依存し必ずしも「高業績」によ
って決められるモノではないので、従業員みんなが手を抜いて働い
ても褒賞にありつけてしまうという問題である。

「お役所仕事」なんていう言葉もあるが、仕事を適当に手を抜いて
行っても順番によって昇進が可能なら、従業員はさほど働かない。

 そしてまた順位で昇進が決まるのなら、まじめに働いて高い業績
を上げるよりも、ライバルを妨害して蹴落とす方が楽な場合も生じ
てくる。

 日本の公務員が腐敗や汚職に走るのは、評価が「事なかれ主義」
で、何かをして失敗すると減点される「減点方式」だからだという
指摘もあるが、順位で順送りに昇進が決まるとどうしてもそうなる。

 そういうわけでトーナメントは効果的なインセンティブを与える
ことは確かであるが、その賞金を上手く設定しないと手抜きや非効
率を促すことになってしまうのである。


(つづく)
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          今回の・・・ 

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 ちょっと短くてすいません。仕事が忙しくて。

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