公開企業の所有者
公開企業の所有者
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組織の経済学・マレニヨム!
第085回(2001/07/23)
所有と財産権
「公開企業の所有者」
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人間はなぜ組織を作るのか。組織の中で個人はどのように動く
のか。そして経営者と組織自体はどういう方向に自らの形態を
変えていくのか。経済学の観点から学びます。
テキストとしてポール・ミルグロム&ジョンロバーツ箸の
「組織の経済学(NTT出版)」をご用意下さい。BNは↓
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雨の降らない梅雨でした。
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公開企業の所有者
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現代の複雑な所有構造を考えると、株式を公開している企業の所
有者は一体誰だ? ということになる。
そのような企業の残余コントロール権と残余請求権をしっかり握
っている個人なりグループなりが、果たして特定できるのか?
(1)株主:
たとえば株主は、法律上、名目上、企業の所有者と言うことにな
っている。
だがしかしその権利は今や、かなり限定的である。
株主の会社に対する権利をここで書き出してみると、
・会社の定款を投票によって改正できる。
・会社の取締役を選出でき、あるいは解任できる。
・会社の消滅(吸収合併される)や資産の大部分の売却について、
投票する権利をもつ。
と、ただこれだけである。残余に関する決定権は殆どない。
(→つまり所有していない)
配当額の決定、投資や買収の決定、管理職の採用や報酬の決定、
商品の価格設定などといった問題には、まるで影響力を持たない。
(2)取締役:
残余コントロール権を持つものと言えば、それは取締役という
ことになる。
だがその取締役も企業が倒産した場合に残余を請求することは
できないから、つまり残余請求権は持たないことになる。
また企業に対して何某かの利害関係にある者、すなわち「ステ
ークホルダー」の存在も所有権を複雑にする。
ステークホルダーは企業に投資を行っていたり、重要なお得意
さんであったり、大量の注文を発注してくれる大企業であったり
様々な立場から、企業組織の運営に影響を及ぼしてくる。
だからそれらに対して明確な優先順位を割り当てるというのは
難しい。
(3)従業員
従業員も残余のコントロールや残余の請求を企業に求めてくる
存在である。
企業が儲かればボーナスを支払えと請求するし、様々なインフ
ルエンス活動を通じて不必要な人材を雇ったり、利益の上がらな
い部署の存続などに残余を振り向けようとする。
有能な従業員はバカ高い報酬を要求するし、そうでない従業員
もそれなりに高い賃金での雇用を管理職に求めてくる。
そういうわけで企業の取締役を任命するのは確かに株主である
が、実際にそういう様々なインフルエンス活動のターゲットとな
るのは取締役や経営者である。
ステークホルダーや何の権利持たないのに企業に影響力を及ぼ
すような人物のインフルエンスの対象もやはり取締役や経営者で
ある。
もちろん取締役や経営者も、従業員の猛反対する経営を行うの
は難しい。
残余のコントロール権と残余請求権という所有の概念も、どう
やら所有をうまく説明できないものらしい。
(つづく)
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今週の・・・
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誰のモノかわからない
→ 誰も責任をとらない
→ 個人が自己利益の拡大を図る
→ 会社の資産が形成されず、赤字と黒字の行ったり来たり
