コスト・センターとプロフィット・センター
コスト・センターとプロフィット・センター
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組織の経済学・マレニヨム!
第059回(2001/01/22)
インセンティブ契約
「コスト・センターとプロフィット・センター」
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人間はなぜ組織を作るのか。組織の中で個人はどのように動く
のか。そして経営者と組織自体はどういう方向に自らの形態を
変えていくのか。経済学の観点から学びます。
テキストとしてポール・ミルグロム&ジョンロバーツ箸の
「組織の経済学(NTT出版)」をご用意下さい。BNは↓
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うーむ、書き差しの原稿を配信予約してしまっていた、、
もう少しで無茶苦茶の原稿を配信するところだった。
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コスト・センターとプロフィット・センター
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■日本企業の下請け企業に対するインセンティブ
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日本の大企業(自動車・電機メーカー)が下請け企業に支払う部品
代金は、契約で取り決められた金額ではなく、供給企業の決算報告
書に書かれた実際の費用による。
たとえばある部品一万個の目標価格x^億円、実際の生産費用を
x億円とすると、部品の代金は
p=x+β(x^-x) [億円]
となるというのである(0<β<1)。
これはまず発注側企業と下請け企業とで目標部品価格を取り決め
て、その目標価格と実際にかかった費用との差額を
「双方で分配する」
という契約である。
こういう契約を結ぶとどうなるかと言えば、
★★目標水準より部品製造コストが安く作れた場合(x^>x):
→下請け会社はかかった費用に加えてβ(x^-x)だけの利潤
を得る。残りは発注企業の利益となる。
★★目標水準より部品製造コストが高く付いてしまった場合:
→下請け会社はかかった費用に加えてβ(x^-x)だけのペナ
ルティを支払わねばならない。しかしその一方で発注企業側も
(1-β)(x^-x)分のコストを負担することになる。
つまりこれは
「下請け企業のリスクの一部を発注企業が担う代わりに、下請け企
業が契約を遵守した場合に本来受け取るはずの利潤をそれだけ分も
らう」
ということで、発注企業側は部品を安く供給してもらうためのイン
センティブを下請け会社に与え、逆に下請け会社は部品開発や製造
にかかる資金的リスクの一部を発注会社に負担してもらうというこ
とである。
下請け企業は「売れるかどうか定かでないのに開発したり製造し
たりしなければならないというリスク」に対し、リスクプレミアム
をそれだけ支払っているということになる。
※これはもちろん90年代初めころまでの話。現在は???
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■コスト・センター
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さて製品のコストを引き下げるために部品を安く調達するのは当
然の努力としても、コストを引き下げればそれで企業はうまく利益
を上げることができるのだろうか? という問題も生じる。
つまり生産部門は生産した商品の売れ行きに責任を持つべきか、
それともコスト削減だけに責任を持つべきか、、ということである。
小さな企業だと生産部門も販売部門も同じ場所にあり、従業員も
両部門の事情に明るくなるから、互いに連携しあって運営される。
だが大きな企業となってくると、そうは行かない。それぞれ専門
のオフィスや工場を構え、専門のスキルを持った社員が働くことに
なる。
そうなると情報の共有が崩れるから、販売部門には販売部門なり
のインセンティブを与え、一方生産部門には生産部門なりのインセ
ンティブを与える必要が出てくる。
そこである工場の管理職に、何らかのインセンティブを与えるよ
うな報酬契約を考えてみる。
このときもし工場の管理職と、製品の売り上げに連動しない形の
インセンティブ契約を結んだとする。つまり
「製品の売り上げは気にしなくて良い。品質とコストダウンだけを
考えて作れ。そうすればコストダウンした分に比例してボーナスを
出す。出世も昇給も思いのまま」
という感じである。
そうするとこの工場は、品質を上げ、低コストでものを作ること
に全ての努力が注がれ、「良いものは売れる!」主義で突っ走るこ
とになる。
こういう工場を「コスト・センター」という。
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■プロフィット・センター
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「供給は需要を作り出す(作れば売れる)」というのはセーの法則
だが、そう言う感じでただ品質が良くて安いモノが大量生産され、
市場にただ安いだけのありふれた商品が垂れ流される。
だが消費者はそんな「ありふれた商品」なんてそうそう買いはし
ない。そしてもっと気の利いたモノがあれば、そちらに顔が向く。
だから消費が一巡する前にその商品は売れなくなり、営業所には
予想しない在庫が山ほど積まれることになる。
だがしかしコストダウンにのみインセンティブを与えられた工場
では、コスト・センターと化しているからそれがわからない。
「良くて安いモノは売れる」という信念でモノを作っているから、
「どうして売れないんだ?営業はサボっているのか?」と言うこと
になる。
だからもし企業が企業として利潤を追求するなら、生産部門にも
売り上げに対する努力を求めなければならない。
「コストダウンに投入する努力にも、売り上げ拡大に投入する努力
にも、同じ強さのインセンティブを与えなければならない」
ということになる。
均等報酬原理を適用すると、e1が「コストダウンの努力水準」で
e2が「売り上げ拡大の努力水準」ということになる。
このようなインセンティブを与えたとき初めて、工場は単なるモ
ノを作るだけの「コストセンター」から、金銭的利益を作り出す
「プロフィット・センター」となる。
もちろんそうなると販売部門に与えるインセンティブは、その分
減ることになるのだが、、、
