組織の経済学・マレニヨム

ワン・ファンド・ポートフォリオ

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ワン・ファンド・ポートフォリオ

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        組織の経済学・マレニヨム!

          第114回(2002/03/05)

            投   資

       「ワン・ファンド・ポートフォリオ」

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 人間はなぜ組織を作るのか。組織の中で個人はどのように動く
 のか。そして経営者と組織自体はどういう方向に自らの形態を
 変えていくのか。経済学の観点から学びます。
  テキストとしてポール・ミルグロム&ジョンロバーツ箸の
 「組織の経済学(NTT出版)」をご用意下さい。BNは↓
  http://www.asahi-net.or.jp/~GA2A-MYZK/
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 仕事が忙しすぎてメルマガ書けない、、、けど、一日だけ休んで
よいとのことなので発行します。
 木曜日はビッグサイトのRETAIL_TECHに参りますが、とあるメーカ
ーのとあるブースで不健康そうな顔で無愛想にしているのが私です。
 でもただ立ってるだけなので、わかっても知らんふりしてくださ
いね。

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           前回の復習

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■モジリアーニ=ミラーの定理(復習)
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●第1モジリアーニ=ミラーの定理
 企業を通じて分配される総収益Xが、ファイナンスに関する決定
には影響を受けず、かつ、投資家は企業の株式を担保に企業と同じ
条件で借入を行えるものと仮定した場合、企業の資金調達構成は企
業価値に影響を及ぼさない。

●第2モジリアーニ=ミラーの定理

 企業を通じて分配される総収益Xが、ファイナンスに関する決定
には影響を受けず、かつ、投資家は企業と同じ条件で証券の売買が
できるものと仮定した場合、企業の配当政策は企業価値に影響を及
ぼさない。

 MM定理は、ファイナンスや配当政策を考える上での貴重な出発
点となる。

 MM定理の要点は、完全資本市場下においては収益の分配法(す
なわち負債とエクイティの比率)を変更しても、基本的には企業価
値を変えないということである。


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       ワン・ファンド・ポートフォリオ

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■ワン・ファンド・ポートフォリオ
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 個々の投資家には、様々な投資機会があり投資選択がある。
 何も投資は株式投資だけには限らない。不動産もあれば、美術品
もある。

 だがきわめて安全な投資は、より危険を伴う投資よりも遙かに低
い収益しか上げられない一方で、得体の知れない小企業への投資が
とんでもない利益を生んだりもする。

 投資家はだから、様々な投資を組み合わせて確実な収益と危険分
散を図るポートフォリオを作ろうとする。

 ここで前提条件を以下のように決定する。
1)投資家はリスクを嫌う一方で、ハイリターンを望む。
2)収益率(利子率)rの安全なリスクのない債券も存在する。
3)資本市場は完全資本市場である。
 (つまり投資家は希望するだけの株式を収得でき、その株式売買
 は市場に影響を及ぼさない。株式売買コストも無視できるほど小
 さい。)
※ただしリスクは投資収益の分散や標準偏差によって測られるとす
る。

 さてまず投資家にはJ個の投資対象があるとする。
 投資対象jのもたらす利益率をRjとし、これは不確実であると
する。

 J個の投資対象に投資するポートフォリオはベクトル表記で
(α1、α2、………、αJ)
と定義されうるが、ここで全資産を1とすると
 α1+α2+………+αJ = 1 (=Σαj)
ということになり、αは全資産に対する比率となる。

 もちろんある投資対象jに対して、空売り(将来それを購入して
売りわたすという約束での投資)をすることもでき、その場合はα
がマイナスになる。

 投資家が投資対象jから得られる収益はαj×Rjだから、このポ
ートフォリオによって投資家が得られる収益は

 α1・R1+α2・R2+………+αJ・RJ = ΣαjRj

となる(もちろんこれに投資家が投資する金額をかけたモノが予想
収益になる)。

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 投資家はもちろん安全な債券(利子率r)にも投資できる。

 そうするとつまり、投資できる持ち分の1-βを安全な債券に投
資し、残りのβを上のポートフォリオに投資することが可能である。

 これはもちろん新しいポートフォリオを作ったということである
が、これを数理的に解析していくと、もっとも高い収益をもたらす
ただ一つのポートフォリオが存在するということが分かる。

 これを「ワン・ファンド・ポートフォリオ定理」と呼ぶ。

 つまり投資対象の利益率とその確率さえ分かれば、最適なポート
フォリオを計算で決めることができる、、、ということである。

 でポートフォリオがたった一つだけに決まるものだととすると、
今度は逆に企業の株式の価格を計算で決定できることになる。

 つまり予想される平均収益率Rによって、企業の資産価格が決定
できるわけである。この計算式を「価格決定式」という。

 もちろんこれは理論上の計算であって、様々な前提条件の上に成
り立つものであるから、現実には一つの「目安」となるに過ぎない。

 金融・資本市場は市場に参加する様々な投資家の様々な思惑によ
って成り立っているから、これは理論であり、一つの目安である。

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■まとめ
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 もし仮に投資可能な株式の妥当な予想利益率(ただしこの率は正
規分布している)が分かっているなら、投資家はただ一通りの比率
で投資を行うことで利益を最大化することができる。

 それはつまり投資先がJ個あって、投資者が1単位(たとえば百
万円とか一千万円とか)の金額をそれに投資するばあい、投資先j
への投資比率をαj、リターンをRjとして、予想利益Mが

  M=α1・R1+α2・R2+ … + αJ・RJ
   =Σ(α・R)

  1=α1+α2+ … +αJ = Σα

と言う形で表されうるからであり、これを安全な投資(融資)と組
み合わせ(比率β)ることによってただ一つの利益最大点が決まる
からである。

 これを「ワン・ファンド・ポートフォリオ」の定理と呼ぶ。


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           今回の・・・

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 来週はなんとか予定どおり発行できると思います。


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