均衡と利子率
均衡と利子率
/Let's Challenge Economics!/Macroeconomics/N.Grebory Mankiw/
mag2 ID:25929
マンキューも読むのでR!
第008回(2000/03/17)
第二部、長期分析
第三章 国民所得:生産、分配、配分(4)
均衡と利子率
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このメルマガは、グレゴリー・マンキュー箸のマクロ経済
学1・2(東洋経済新報社・刊)を中心テキストにし、マク
ロ経済学をゼミ風に勉強しようというメルマガです。BNは↓
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/Let's Challenge Economics!/Macroeconomics/N.Grebory Mankiw/
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前回のおさらい
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■経済学上の利潤・会計学上の利潤
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企業は利潤を最大化するためにMPL=W/Pとなる点まで労働
力Lを投入する。そして利潤を最大化するためにMPK=R/Pと
なる点まで資本を借り入れる。この時の産出量をYとすると、生産
物で測った利潤は
Y-MPL・L-MPK・K
となるが、これを特に「経済学上の利潤(EP)」とよぶ。
∴ Y=(MPL・L)+(MPK・K)+EP
∴「総所得」=「労働への報酬」+「資本への報酬」+「EP」
現実の多くの企業は資本を「所有」していて、企業は生産者であ
ると同時に資本の提供者であるから、資本に対する報酬MPK・K
のいくらかを手に入れることができ、世間一般でいう「利潤」すな
わち「会計上の利潤(AP)」で考えると
{利潤}= AP = EP + MPK・K
である。
つまり国民所得における利潤は殆ど資本に対する報酬であり、
「国民所得(総産出)は、限界生産力に応じて労働報酬と資本報酬
に分配される!」
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■財やサービスの需要
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生産によって得られた産出物がどのように使われるか。
前述したとおりGDPは「消費C」「投資I」「政府購入G」
「純輸出NX」という四つの構成要素からなっているが、現在議論し
ている経済は、他国との貿易が無視できる「閉じた経済(閉鎖経済)
」でNXはゼロであるから、国民所得勘定の恒等式は
Y=C+I+G
である。
(1)消費C(ConsumeだからC)
消費の主体は「家計」である。
家計は経済の総産出Yを労働報酬と資本報酬という形で「全部」
受け取るが、このうち政府にTだけの税金を支払う。
収入Yから税金Tを引いた金額がすなわち「可処分所得(ディス
ポーザブル・インカム)」であるが、家計はこの可処分所得を「消
費」と「貯蓄」に振り分ける。
とすると消費関数はC=C(Y-T)と定義できる。
可処分所得とは「消費してもよい所得」であるから、消費関数は
基本的に右上がりになる。
C(消費)
↑
| /C=C(Y-T)
| /
| /
|--------/
| /
| /
| /
|/
0 ―――――――――――→可処分所得Y-T
そして消費関数C=C(Y-T)の傾きがMPCつまり「限界消費
性向」である。限界消費性向は、所得が一単位増えたときに消費が
何単位増加するかという指標であり、C=C(Y-T)の微分係数で
ある。
2)投資I
投資は利子率に大きな影響を受ける。というのももし利回りが5%
の投資機会があったとしても、銀行に預ければ10%の利子が付く場合
はこの投資には金が回らないのが普通だからである。すなわち
「利子率が高いほど収益性のある投資計画は少なくなる」。
投資は利子率rの関数だから、I=I(r)と定義される。
r(利子率)
↑
| \
| \
| \
|---------- \
| ・\
| ・ \
| ・ \I=I(r)
| ・ \
0 ―――――――――――――――→I(投資)
3)政府購入G
政府は道路や橋や公園、学校や図書館などの公共物を建設し、公
務員を雇って公共サービスを行う。このための支出が政府購入G
である。ただし福祉や社会保障のための支出は政府購入には含まれ
ない。 というのも「何も買わないから」である。
福祉などの支出はお金を政府から福祉の対象者に「移転」した
だけであり、それは対象者の「所得」なのである。よってこれは
政府購入には入らない。消費になる。
均衡財政では当然G=Tとなる。赤字財政ならG>Tであり、黒
字財政ならG>Tであるが、これらを決めるのは「効率」ではなく
「政治」であるから、 これらの数値は経済システムの外部で決ま
る「外生変数」なのである。一方CやIは「内生変数」である。
外生変数が内生変数にどう影響を及ぼすか、次の項で考える。
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均衡と利子率
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ここまでの方程式をまとめてみる。
Y:産出量(国内総生産GDP)、C:消費、I:投資
G:政府購入、T:税金 r:利子率 について、
Y=C+I+G
C=C(Y-T)
I=I(r)
一番上の式に他の式を代入すると、
Y=C(Y-T)+I(r)+G ……(*)
となるが、ここでGとTは政府によって決められていて一定だし、
Yは存在する生産要素(資本や労働力)と生産関数(生産技術)に
よって決まってしまうので、これも一定である。
G=(一定)、T=(一定)、Y=(一定)
となると(*)式で一定でないのは、I=I(r)だけなのである!!
投資Iは利子率rと逆相関の関係にある(つまりrが大きくなる
とIはちいさくなり、rが小さくなるとIは大きくなる)。
ⅰ)利子率rが高すぎると投資が少なくなりすぎて、産出物への需
要は供給に満たなくなる。つまり
Y>C+I+G
である。
ⅱ)利子率rが小さすぎると投資が多くなりすぎて、
Y<C+I+G
となる(需要が供給を上回る)。
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■国民貯蓄(ナショナル・セービング)
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国民所得勘定の恒等式Y=C+I+Gを変形すると、
I=Y-C-G
となる。これを少し眺めてみよう。
右辺は総生産から消費と政府の購入を差し引いたモノであるから、
「需要を満たした残りの生産高」であり「国民貯蓄」とか単に「貯
蓄(セービング)」と呼ばれるものである。
ここで我々が普段よく行っている「貯金」を考えてみると、所得
から税金と消費を差し引いた残りだから、Y-T-Cである。
これを「民間貯蓄:プライベイト・セービング」という。
また政府貯蓄を考えるとT-Gであり、これを「公的貯蓄:パブ
リック・セービング」という。
つまり最初の式はI=(Y-T-C)+(T-G)と書き直せる
わけである。
さてI=I(r)とC=C(Y-T)を代入すると
I=I(r)=Y-C(Y-T)-G
であるが、YとTとGは一定だから「投資と消費関数」が相関であ
り、貯蓄SもS=Y-C-G=I(r)だから、一定になる。
だから貯蓄が利子率に依存しないモデルにおいての貯蓄と投資・
利子率の関係は、下のグラフのようになる。
r'がつまり「均衡利子率」である。
r(利子率)
↑ S(一定)
| \ |
| \ |
| \|
r'|---------- \
| |\
| | \
| | \I=I(r)
| | \
0 ―――――――――――――――→I、S(投資;貯蓄)
S
つまり
「利子率は投資が貯蓄に等しくなるまで調整される」
のである。
というのも利子率が低すぎると投資家は資金の借入れを増やし、
資金への需要が供給を上回る。すると当然利子率は上昇する。
逆に利子率が高すぎると人々は投資より貯蓄にお金を回し、資金
への需要が供給を下回る。すなわち利子率は下降するからである。
(つづく)