マクロ経済学/マンキューも読むのでR!

貨幣供給のモデル

貨幣供給のモデル

貨幣供給のモデル

/Let's Challenge Economics!/Macroeconomics/N.Gregory Mankiw/
mag2 ID:25929

         マンキューも読むのでR!
   
          第83回(2001/12/20)
 
     貨幣供給・貨幣需要(1)

         「貨幣供給のモデル」

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/Let's Challenge Economics!/Macroeconomics/N.Gregory Mankiw/
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          貨幣供給のモデル

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■100%準備制度
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 貨幣はあるが銀行のない世界では、貨幣の供給量は世間にある現
金の総合計に等しい。ここでは話を簡単にするため、その総合計を
1000ドルであると仮定する。

 そこで銀行というモノができる。

 銀行は人々から現金を預かって貸し出すわけであるが、預かった
金額から貸し出した金額を引いた部分を「リザーブ(準備)」と呼
ぶ。

 通常の銀行はこのリザーブ分の現金を中央銀行に預ける。たとえ
ば日本の銀行は日本銀行に余分な現金を預けるが、ここではそうい
う中央銀行にリザーブ分を預けないこととする。

 すなわち世間から集めた預金を100%リザーブとして持つので、こ
れを特に「100%準備制度」と呼ぶ。

 ここで世間にある1000ドルがA銀行に預金されたとすると、銀行
のバランスシート(賃借対照表)は以下のようになる。
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※A銀行のバランス・シート:
【資産】準備 1000ドル
【負債】預金 1000ドル
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 もしここで銀行が貨幣を預かるだけであれば、貨幣の供給量は銀
行にある1000ドルだけであり、何の変化もない。

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■部分準備制度と信用創造
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 次に銀行がリザーブのうちの何割かの現金を貸し出して、その対
価の利子を受け取るとする。
 
 もちろん銀行は預金を預けた人々に対し、常に現金を用意して引
き出しに備えなければならないから、いくら利子が受け取れるから
と言って、預金1000ドル全部を誰かに貸し出してしまうわけには行
かない。
 預金のうちの一定割合をリザーブとして保有しておかなければな
らない。

 このように預り金のうちの一部のみをリザーブとして持つ制度を
「部分準備制度」と呼ぶが、この制度によって銀行は貨幣を生み出
す。これを特に「信用創造」と呼ぶ。

 リザーブ/デポジット(準備/預金)比率をたとえば20%とす
ると、A銀行のバランス・シートは以下のようになる。
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A銀行のバランスシート(2)
【資産】準備 200ドル
    貸出 800ドル
【負債】預金 1,000ドル
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 この貸し出した800ドルが、別のB銀行に預金として預けられた
とし、B銀行がまた20%の率で準備を行うとすると
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B銀行のバランスシート
【資産】準備 160ドル
    貸出 640ドル
【負債】預金 800ドル
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となる。

 そうすると世間にある貨幣供給量は1,000ドル+800ドル+640ドル
ということになり、部分準備制度によって貨幣が生み出されたと言
うことになる。

 この場合の貨幣供給量は、総現金量に等比級数の和を掛けたモノ
になるから、
 1,000×{1+(1-0.2)+(1-0.2)^2+・・・ }
=1,000×(1/0.2)
=5,000ドル
ということになる。

 信用創造を行うことができるというのがつまり、「銀行」と他の
金融機関との違いである。

 銀行以外の金融機関は、預かった金を他に貸すという「金融仲介」
を行うのみで、信用創造は行わない。

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■マネタリー・ベース
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 さてここで貨幣供給をMとし、人々の保有している現金通貨C、
人々が銀行に預けている預金をDとする。

 たぶんMがマネー、Cがカレンシー、Dがデポジットの略かと思
うが、そういうわけで貨幣供給量Mは
 貨幣供給量: M=C+D
となる。

 次に貨幣供給量Mの三つの外生変数を以下のように定義する。

1)マネタリー・ベース:B=C+R (Rは銀行のリザーブ)
   →政府や中央銀行によってコントロールできる部分の貨幣量

2)rr:準備/預金率(リザーブ・デポジット・レシオ)=R/D
   →預金のうちどれだけを準備金として残すかという比率。
    法律や銀行の戦略によって率の値が決まる。

3)cr:現金/預金率(カレンシー・デポジットレシオ)=C/D
   →人々が貨幣をどういう比率で銀行に預けるかという比率。
    人々の選好によって決まる。

 で、貨幣供給量Mをマネタリー・ベースBで割ってみる。
                    C/D + 1
 M/B =(C+D)/(R+D)= ――――――――――
                    C/D + R/D
     =(cr+1)/(cr+rr)

 この値を特に「貨幣乗数(マネー・マルチプライア)」と呼び、
mで表すと、貨幣供給Mがマネタリー・ベースBのm倍になって
いることがわかる。

 つまりマネタリー・ベースBが1ドル増えると、貨幣供給Mは
mドル増えるということになる。

 マネタリー・ベースは、ハイパワード・マネーとも呼ばれる。

 上の式から分かることは
・貨幣供給Mは、マネタリー・ベースBに比例する
・準備/預金比率rrが小さければ、mは大きくなり貨幣供給Mは
 増える
・現金/預金比率crが低ければ、人々は銀行により大きな率で現金
 を預け、それによって銀行はより多くの信用創造を行うことがで
 きるから、貨幣供給Mも増える。
ということである。

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■金融政策の3手段
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 中央銀行は、
・公開市場操作
・必要準備率
・公定歩合
という三つの手段で貨幣供給Mを調整する。

 公開市場操作とは、中央銀行による国債の売買によってマネタリ
ー・ベースBを調整するコトである。

 中央銀行が国債を買い入れると現金が市場に増える。逆に手持ち
の国債を売り出すと現金が市場から減る。そうやって調整する。

 必要準備率とは、中央銀行が普通の銀行の準備率の下限を設定す
ることである。これによって信用創造による貨幣供給が調整される。

 公定歩合は中央銀行が各銀行に金を貸したり借りたりする場合の
利子率である。

 公定歩合が低ければ各銀行は金をたくさん借り、市場のマネタリ
ー・ベースを増やす。逆なら減らす。そうして調整する。


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          今週の・・・

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 今回で最終回にしようと思っていたら、なんか分量が結構あって
終われそうにない、、、、ので、二回に分けます。
 まあ無理矢理年内に終わらせなくてもいいんですけど、仕事は全
て片づけて年を越したいので(^_^;)。
 そういうわけで、次回でおしまいです。


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