経済学上の利潤・会計上の利潤
経済学上の利潤・会計上の利潤
/Let's Challenge Economics!/Macroeconomics/N.Grebory Mankiw/
mag2 ID:25929
マンキューも読むのでR!
第007回(2000/03/14)
第二部、長期分析
第三章 国民所得:生産、分配、配分(3)
経済学上の利潤・会計上の利潤
財やサービスの需要
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このメルマガは、グレゴリー・マンキュー箸のマクロ経済
学1・2(東洋経済新報社・刊)を中心テキストにし、マク
ロ経済学をゼミ風に勉強しようというメルマガです。BNは↓
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/Let's Challenge Economics!/Macroeconomics/N.Grebory Mankiw/
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長いけど、前回までの号をしっかり読んでいる方には簡単です。
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前回のおさらい
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■MPL(労働の限界生産力)逓減
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労働量を一単位増やしたとき生産量が何単位増加するかという数
値の事を「労働の限界生産力MPL」と呼ぶ。
そして大抵の生産関数は、労働の限界生産力逓減の法則に当ては
まる。つまり生産機械などの量を固定しておいて労働者や労働時間
だけを増やしてみても、労働者が増えるほどには生産量が増えない
のである。だから企業は市場価格をにらみながら、一番利潤が大き
くなる生産量と労働投入量を選ぶことになる。
そこで労働量を一単位増やしたときの利潤の増分を考えると、
Δ利潤 = Δ収入 - Δ費用
= P×ΔY - W×1
=(P×MPL)- W ・・・(*)
だから、企業がとことんまで利潤を追求するとすると、労働量の追
加はΔ利潤=0となるところまで行われることになるから、(*)の式
より
P×MPL = W
となり、さらにこの式を変形すると
MPL = W/P
となる。
このW/Pを特に「実質賃金率(リアル・ウェッジ)」と呼ぶのだ
が、これの便利なところは労働者の賃金を「作った製品の個数(=
産出量)」で表せるということである。
つまり労働はたいてい限界生産力が逓減するからMPLはY-L
グラフに書き込むと右下がりになるが、この時企業の利潤が最大化
するW/Pを書き込むと、最適な労働投入量が決まるのだ!
(なぜならMPL=W/Pだから)
Y(産出量)
↑
| \
| \
| \
W/P|---------- \
| ・\
| ・ \
| ・ \MPL
| ・ \
0 ―――――――――――――――→L(労働量)
L'
つまりMPL曲線は、企業の労働需要曲線だったのである!
同様の理屈で資本の限界生産力MPKも決定される。
すなわち企業はMPK=R/Pまで資本をレンタルする事になる。
R/Pは「資本の実質レンタル料」と呼ばれる。
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経済学上の利潤・会計上の利潤
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企業は利潤を最大化するためにMPL=W/Pとなる点まで労働
力Lを投入する。そして利潤を最大化するためにMPK=R/Pと
なる点まで資本を借り入れる。
この時の産出量をYとすると、生産物で測った利潤は
Y-MPL・L-MPK・K
となるが、これを特に
「経済学上の利潤(エコノミック・プロフィット:EP)」
とよぶ。
この式を書き換えると
Y=(MPL・L)+(MPK・K)+EP
となるから、
「総所得」=「労働への報酬」+「資本への報酬」+「EP」
ということになるが、ここでもし生産関数に関して「規模に関する
収穫不変の性質」を仮定すると、経済学上の利潤EPは必ずゼロに
なる。
つまり「モノの値段は労働報酬と資本報酬の合計で表せる!」と
言うことになる。
これは生産関数zY=F(zK、zL)をzで微分してz=1を
代入した式を見れば明らかだ。つまり
Y=F(K、L)= MPK・K + MPL・L
である(オイラーの定理)。
しかしここで一つ疑問が生じる。というのもこれでは企業の利益
がゼロになるから、企業の生産インセンティブはどこからくるのだ
ろうか、、、ということである。
ここで前回の号の最初に書いた「資本は家計からレンタルされる
とする」という仮定の意味がわかってくる。
というのもここまで企業は資本(つまり生産や商売に使う土地建
物や機械)を全部借りるモノだとして考えてきていたが、現実の多
くの企業は資本を「所有」しているわけである。
つまり企業は生産者であると同時に資本の提供者であるから、当
然資本に対する報酬MPK・Kのいくらかを手に入れることができ
るのだ!
だから世間一般でいう「利潤」を特に「会計上の利潤(AP:ア
カウンティング・プロフィット)」と呼ぶとすると、
AP = EP + MPK・K
なのである。
そういうわけだから「規模による収穫一定、利潤の最大化、競争」
という仮定の下でEP=0でも、「利潤」は生じるわけである。
つまり国民所得における利潤は殆ど資本に対する報酬であり、
「国民所得(総産出)は、限界生産力に応じて労働報酬と資本報酬
に分配される!」
のである。
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財やサービスの需要
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ここまでの話を少しまとめておくと、
1)生産水準を決定するのは、存在する生産要素(資本Kおよび労
働量L)の量と、生産関数(Y=F(K、L))である。
時間が経って資本や労働の量が増えれば産出量は増えるし、生
産技術が向上して利用可能な技術が改善されれば産出量も増える。
2)産出した所得の分配は、限界生産力に応じて労働報酬MPL・L
と資本報酬MPK・Kに分配される。
ということである。
さて次に考えるのは、生産によって得られた産出物がどのように
使われるか、、、、である。
前述したとおりGDPは「消費C」「投資I」「政府購入G」
「純輸出NX」という四つの構成要素からなっている。
現在議論している経済は、他国との貿易が無視できる「閉じた経
済(閉鎖経済)」でNXはゼロであるから、国民所得勘定の恒等式は
Y=C+I+G
である。この三つの相関について少し考えよう。
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■消費C(ConsumeだからC)
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消費の主体は「家計」である。
家計は経済の総産出Yを労働報酬と資本報酬という形で「全部」
受け取るが、このうち政府にTだけの税金を支払う。
収入Yから税金Tを引いた金額がすなわち「可処分所得(ディス
ポーザブル・インカム)」であるが、家計はこの可処分所得を「消
費」と「貯蓄」に振り分ける。
とすると消費関数はC=C(Y-T)と定義できる。
可処分所得とは「消費してもよい所得」であるから、消費関数は
基本的に右上がりになる。
C(消費)
↑
| /C=C(Y-T)
| /
| /
|--------/
| /
| /
| /
|/
0 ―――――――――――→可処分所得Y-T
そして消費関数C=C(Y-T)の傾きがMPCつまり
「限界消費性向(マージナル・プロペンシティ・トゥ・コンシュー
ム)」
である。
限界消費性向は、所得が一単位増えたときに消費が何単位増加す
るかという指標であり、C=C(Y-T)の微分係数である。
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■投資I(InvestだからI)
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企業も家計も投資を行う。
投資は利子率に大きな影響を受ける。というのももし利回りが5%
の投資機会があったとしても、銀行に預ければ10%の利子が付く場合
はこの投資には金が回らないのが普通だからである。
すなわち
「利子率が高いほど収益性のある投資計画は少なくなる」。
投資は利子率rの関数だから、I=I(r)と定義される。
r(利子率)
↑
| \
| \
| \
|---------- \
| ・\
| ・ \
| ・ \I=I(r)
| ・ \
0 ―――――――――――――――→I(投資)
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■政府購入G(GorvenmentのG)
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政府は道路や橋や公園、学校や図書館などの公共物を建設し、公
務員を雇って公共サービスを行う。このための支出が政府購入G
である。
ただし福祉や社会保障のための支出は政府購入には含まれない。
というのも「何も買わないから」である。
福祉などの支出はお金を政府から福祉の対象者に「移転」した
だけであり、それは対象者の「所得」なのである。よってこれは
政府購入には入らない。消費になる。
でここで税金Tとの関連だが、均衡財政では当然G=Tとなる。
赤字財政ならG>Tであり、黒字財政ならG>Tである。
だがこれらを決めるのは「効率」ではなく「政治」であるから、
これらの数値は経済システムの外部で決まる「外生変数」なのであ
る。
一方CやIは「内生変数」である。
外生変数が内生変数にどう影響を及ぼすか、次の項で考える。
(つづく)
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今回の・・
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内容的にはちょっとだけど、メルマガにすると長いな。