国民所得の生産要素への分配
国民所得の生産要素への分配
/Let's Challenge Economics!/Macroeconomics/N.Grebory Mankiw/
mag2 ID:25929
マンキューも読むのでR!
第006回(2000/03/10)
第二部、長期分析
第三章 国民所得:生産、分配、配分(2)
-------------------------------------------------------
このメルマガは、グレゴリー・マンキュー箸のマクロ経済
学1・2(東洋経済新報社・刊)を中心テキストにし、マク
ロ経済学をゼミ風に勉強しようというメルマガです。BNは↓
http://www.asahi-net.or.jp/~GA2A-MYZK/index.html
-------------------------------------------------------
/Let's Challenge Economics!/Macroeconomics/N.Grebory Mankiw/
------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------
国民所得の生産要素への分配(1)
------------------------------------------------------------
----------
■要素価格
----------
経済(閉じた経済)における総産出は総所得に等しい。つまり総
収入は売れた財やサービスの価格の総合計に等しい。
一方、財やサービスの生産は生産要素(生産機械や土地などの資
本Kと労働L)と生産関数(ある財を一単位生産するのに必要なK
とLの割合)によって決定されるから、国民所得もそれによって決
まることになる。
「貨幣のフロー循環図」を思い出すと、
「企業」
↓ (要素代金支払い)
{生産要素市場}
↓ (賃金・地代・株式配当)
「家計」
であるから、国民所得の分配は「生産要素の価格」つまり「賃金や
地代・株式配当」などによって決まることになる。
さてここである経済における生産要素が一定であると仮定すると、
生産要素の供給曲線は
P(要素価格)
↑
| |S(要素供給曲線)
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
| |
0 ――――――――――――――→Q(要素供給量)
(一定)
となる。
ここで要素の需要関数を考えると、要素価格はこの交点に決まる
ことになる。
P(要素価格)
↑
| \ |S(要素供給曲線)
| \ |
| \ |
| \|
p'|---------- |
| |\
| | \
| | \
| | \
0 ―――――――――――――――→Q(要素供給量)
(一定)
----------
■競争的な企業の直面する問題
----------
この経済に参加している競争的な企業が直面する問題について考
える。
競争的な企業とは市場支配力のない企業のことで、このような企
業にとっては生産要素の価格は所与(given自分では決められない)
の価格となる。
つまり市場規模に対して影響力が殆どない程度の生産規模の企業
で、原材料や労働力などをいくらたくさん集めても、原材料価格や
労賃が値上がりしないと言う状態である。
この企業の生産関数を
Y(生産量)=F(K(生産機械の数)、L(投入労働のべ時間))
とし、生産した商品の価格をP、従業員の賃金をWで雇い、資本を
Rのレントで借りるとする。
(※ただしここで資本の提供者は「家計」である)
さてこの時企業の利潤はどうなるか? というと
{利潤}={収入}ー{労働費用}ー{資本費用}
であるから、
{利潤}= P・Y - W・L - R・K
=P・F(K、L) - W・L - R・K
となる。
----------
■MPL(労働の限界生産力)逓減
----------
労働量を一単位増やしたとき生産量が何単位増加するかという数
値の事を「労働の限界生産力MPL」と呼ぶ。
MPLとはマージナル・プロダクト・オブ・レイバーであり、つ
まり
MPL=F(K、L+1)-F(K、L)
である(生産関数のLにおける偏微分ですね)。
で大抵の生産関数は、労働の限界生産力逓減の法則に当てはまる。
つまり生産機械などの量を固定しておいて労働者や労働時間だけ
を増やしてみても、労働者が増えるほどには生産量が増えないので
ある。
だから企業は市場価格をにらみながら、一番利潤が大きくなる生
産量と労働投入量を選ぶことになる。
これは農業などにはよくある話で、いくら労働者を増やしても
1haの田畑から取れる農産物はある一定の上限量以上は取れない。
だから生産を最大にするか利潤を最大にするかという選択肢がそ
こにあり、作れば作るほど儲かるならば何が何でも生産量を増やす
ためにギリギリまで労働力を投入することになるが、そうではなく
効率的な生産をする場合には「生産量を最大にせず、一番儲かる投
入量と生産量が選ばれる」わけである。
ここで労働量を一単位増やしたときの利潤の増分を考える。
Δ利潤 = Δ収入 - Δ費用
= P×ΔY - W×1
=(P×MPL)- W ・・・(*)
企業がとことんまで利潤を追求するとすると、労働量の追加は
Δ利潤=0となるところまで行われることになるから、(*)の式よ
り
∴ P×MPL = W
となる。この式を変形すると
MPL = W/P
となるが、このW/Pを特に「実質賃金率(リアル・ウェッジ)」
と呼ぶ。
----------
■MPL曲線=企業の労働需要曲線。
----------
Y(産出量)
↑
| \
| \
| \
| \
y'|---------- \
| \
| \
| \MPL
| \
0 ―――――――――――――――→L(労働量)
労働量を増やしていくと労働の限界生産力逓減の法則によって、
MPLはドンドン小さくなっていく。だからMPL曲線を産出量と
労働量の関係図に書き込むと、上の図のように右下がりの曲線とな
る。
ここでもう一度 MPL=W/P を考えると、W/Pは実質賃金
率(リアル・ウェッジ)であった。
で、リアル・ウェッジとは何か?というと、これは実は単位当た
り労賃を生産物で表したモノなのである。
たとえばあるパン屋の工場労働者が一日五千円の賃金で働いてい
たとする。そしてこの工場で生産されているパンの価格を一個50円
だとする。
そうするとリアル・ウェッジは
W/P = 5,000円/(50円/個) = 100個
となり、つまり労働者の日給はパン100個なのだというわけである。
とすると企業の利潤を最大化するための労働投入量は
MPL=W/P
で決まるから、このパン屋の労働投入量は、上図の縦軸の産出量Y
がY=W/P=100個となる線とMPL曲線の交点が示すLが最適労
働投入量と言うことになる。
つまり
MPL曲線は、企業の労働需要曲線なのである!
----------
■資本の限界生産力
----------
同様の理屈で資本の限界生産力MPKも決定される。
すなわち企業はMPK=R/Pまで資本をレンタルする事になる。
R/Pは「資本の実質レンタル料」と呼ばれる。
(つづく。)
------------------------------------------------------------
今回の・・
------------------------------------------------------------
うむ、少し面白い。