マクロ経済学/マンキューも読むのでR!

乗数効果

乗数効果

乗数効果

/Let's Challenge Economics!/Macroeconomics/N.Gregory Mankiw/
mag2 ID:25929

        マンキューも読むのでR!
   
         第41回(2000/12/21)
 
       総需要(2)

           「乗数効果」

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  このメルマガは、マクロ経済学をゼミ風に勉強しようという
 メルマガです。テキストとしてグレゴリー・マンキュー箸の
 マクロ経済学1・2(東洋経済新報社・刊)を使っていますの
 で、ぜひお買い求めください。それだけの価値はあります。
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/Let's Challenge Economics!/Macroeconomics/N.Gregory Mankiw/
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 まぐまぐさんのスケジュールを確認していないのでどうなるかは
わかりませんが、もしかしたら今回で今年は終わりになるかもしれ
ません。
 メールを下さった方もread onlyの方も、本年はどうもありがとう
ございました。

 この「マンキューも読むのでR!」は2000年2月から読み始めた
わけですが、途中ボクの都合で一ヶ月ほど休んだりした都合で結構
時間がかかってしまいました。

 組織の経済学のような分厚い本でもないので、十ヶ月くらいで読
めると踏んでたんですが、、、就職して京都から東京に出てきたり、
シスアドの試験を受けたり、と色々なことがあって、どんどん遅れ
てしまいました。

 来年もかなり色々なことがあって、またドンドン遅れていくかも
しれませんが、なんとか夏ごろには読み終わりたいと思ってますの
で、来年もよろしくお願いします。(み)

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         前回のおさらい

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■ケインジアンの交差図
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 家計や企業、そして政府は、財やサービスを購入するためにまず
計画を立てる。Aにいくら、Bにいくら、そしてCにいくら支出す
るか、ということを考える。

 経済が閉鎖的でNX=0の場合を考えると、この計画支出Eは 
E=C(消費)+I(投資)+G(政府支出) となる。

 ここで消費Cが可処分所得Y-T(税金)の関数であると仮定す
ると、
 E=C(Y-T)+I+G
ということになるが、TやGは政府が決定するものであり、経済の
外側で決まるモノである。一方投資Iも実は将来の見通しから現在
の投資水準が決定されると考えられるから、やはり現在の経済の外
側で発生するものである。
 だから可処分所得が変化することによって、消費も変化すること
になり計画支出Eは総生産Yを変数とする関数である。

 つまりYが増えるとEが増えるという感じで、この曲線の傾きが
「限界消費性向MPC」である。

 でY=Eの45度線とE=C(Y-T)+I+G線の交点が、
{現実の支出}={計画支出}
であり、均衡水準である。

 この図を特に「ケインジアンの交差図」という。


E(計画支出)
 |
 |         /Y=E
 |        / 
 |       / 
 |――――――/―――――E=C(Y-T)+I+G
 |     /  
 |    /   
 |   /
 |  /
  ――――――――――――Y(所得・産出)
   short → y ← over

※ここでは30度の線が描けないので、上図の水平線は右上がりの
30度くらいの傾きの曲線だと思ってください。で交点が均衡水準
のYになります。

 で、もしGDPが均衡水準より高くなれば、計画される支出より
たくさん財やサービスが生産されていることになり、意図しない在
庫が増えることになる。

 在庫が増えると企業は生産を止めたり減らしたりするから労働者
の残業は減り、場合によっては人員削減策やレイオフとなる。

 そうして生産が減ってGDPが下がって均衡水準に落ち着く。

 逆に均衡水準より低いGDPなら、計画したより需要の方が大き
くなり、意図しない在庫が減る。

 そうすると企業は労働者を雇ったり残業を増やしたりして生産を
増やし、GDPが増え均衡水準に戻る。

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        政府購入乗数・租税乗数

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 政府が何か公共投資を行うと、投資した以上の経済効果が得られ
ることがある。

 これは公共投資が所得の増加を生み、その所得の増加がさらに波
及して経済を活発にするからであるが、近年乗数効果が出にくくな
ってきているという。

 つまり国ジャンジャン公共投資を行っても、経済に与える波及効
果が期待できなくなってきているのだ。

 ではその「乗数効果」とは何か?

 ケインジアンの交差図から、GおよびTの変化によって何が起こ
るか考えてみる。

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■政府購入Gの変化
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 まずは政府購入GがΔGだけ変化したとする。

 そうすると計画支出曲線はΔGだけ上昇する(ΔGがマイナスの
場合は下降する)が、均衡水準YもそれにつれてΔYだけ上昇する。

 これは結果であって、過程ではない。過程を追ってみよう。

 まず政府がΔGだけ支出を増やす
→ΔGだけ誰かの所得が増える
→その誰かがMPC×ΔGだけ支出を増やしGDPが増える。
 ※MPCとは限界消費性向のことで、一円収入が増えると何円支
  出が増えるかという値で、通常0<MPC<1。
→増えた支出MPC×ΔGだけ、また別の誰かの収入が増える。
→そうすると別の誰かはMPC×MPC×ΔGだけ支出を増やし、
 GDPが増える。
→(繰り返し)
 
 で、これらをどんどん足していくと無限等比級数の和で結果が出
る。つまり

 ΔY=(1+ MPC + MPC^2 + MPC^3 +・・・)ΔG

となって、これを計算すると

 ΔY/ΔG = 1/(1-MPC)

となる。

 そういうわけで、もし日本の国民のMPCが0.8、つまり一万円だ
け収入が増えればそのうち八千円を使うならば、増やしたΔGの
1/(1-0.8)=5倍ほどGDPが増えるということになるから、
政府が支出を一兆円増やすとGDPが五兆円増える、、、という事
になる。

 一単位政府購入Gを増やしたら1/(1-MPC)倍GDPが上
昇するので「乗数(かけ算)効果」という。
 
(注:無限等比級数の和の証明は高校数学の範囲です。 
Y=C(Y-T)+I+G
を微分すると dY=C'・dY+dG となり、よって
 dY/dG = 1/(1-MPC)
                  (∵C'=MPC)
となる。

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■租税乗数
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 政府購入Gの変化が乗数効果をもたらすように、租税の変化も乗
数効果をもたらす。

 この場合は一円税金が上がると、-MPC/(1-MPC)倍ほ
ど均衡所得を減らす。

 MPCが0.8の時一兆円増税すると、均衡所得が四兆円減る。

 最初の水準より均衡水準が四兆円下がるから、それだけ分在庫が
溜まって不況になる、、てな感じです。

 ただしこれはあくまでもNX=0の場合の話で、現在のような貿
易が自由な開放経済では乗数効果はそんなに現れません。

(つづく)


乗数効果
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