経済政策と貿易収支
経済政策と貿易収支
/Let's Challenge Economics!/Macroeconomics/N.Grebory Mankiw/
mag2 ID:25929
マクロ経済学も読むのでR!
第028回(2000/07/27)
第七章・開放経済(3)
「経済政策と貿易収支」
-------------------------------------------------------
このメルマガは、マクロ経済学をゼミ風に勉強しようという
メルマガです。テキストとしてグレゴリー・マンキュー箸の
マクロ経済学1・2(東洋経済新報社・刊)をお薦めします。
-------------------------------------------------------
/Let's Challenge Economics!/Macroeconomics/N.Grebory Mankiw/
------------------------------------------------------------
最近「まぐまぐ」の発行者画面で、新聞記事などからの転載や著
作権などについての注意が載っていたんですけど、このメルマガな
んかはどうなるのでしょうね?
一応マンキューのテキストをまず読んでみて、他のテキストも参
照して自分の言葉で書いているつもりなんですが、章立てはテキス
トそのままですしねえ、、、
去年の今頃も実は少し考えて調べてみたんですが、学習目的とか
研究目的での利用などの除外規定がどの程度まで有効なのか、よく
わからなかったもので、、、
とりあえず今回は題名だけ「マクロ経済学もよむのでR!」に替
えてみました(笑)が、著作権に詳しい方がいらっしゃったら教え
て下さい。
私としては、インターネット上でゼミを開催しているという感じ
でこれをやっているのですが、内容的にも少し変更を検討しないと
いけないようですね。
学術的な文献からの引用は、基本的にはフリーなんでしょうが、
それをある一定のアイデアでまとめたモノはやはり著作物なんでし
ょうし。
あ、それから申し訳ないですがそういうわけですので、組織の経
済学をよむのでR!のバックナンバーのページは今月一杯くらいで
削除させていただきます。
バックナンバーが必要な方に対しては、私の方から圧縮ファイル
でお送りするというかたちにしようかと思いますのでよろしく。
HPに著作権法で言う「翻案」のようなものを晒しておくという
のは、さすがに問題かも知れませんし、、、
そう言うことで宜しくお願いします。(み)
------------------------------------------------------------
前回のおさらい
------------------------------------------------------------
----------
■基本式(復習)
----------
国民所得勘定の恒等式を変形すると、
NX =Y-(C+I+G)
となる。
また国民貯蓄SとはGDPから消費Cと政府購入Gを差し引いた
モノでS=Y-C-Gであるから、これを上の式に代入すると、
S-I=NX
である。
このS-Iを特に「対外純投資」と呼び、S-I=NXの場合の
NXを特に貿易収支(トレード・バランス)と呼ぶ。
トレード・バランスとは、純輸出の別名であり、S-I=NX>0
の時が「貿易黒字(貿易過剰)」、S-I=NX <0の時が「貿易
赤字(貿易不足)」となる。
貿易黒字が生じたとき、対外純投資もプラスになっている。
貿易赤字が生じたとき、対外純投資はマイナスになる。
小国開放経済のモデルでは、「資本の完全(自由)移動性」を仮
定し、この経済の実質利子率rは世界利子率r*に等しい。
世界利子率r*を決めるのは、世界全体を一つの閉鎖経済と考えた
場合の世界の貯蓄Swと投資Iwの均衡である。
小国開放経済では、利子率は所与のモノ(given:自分では決めら
れないモノ)である。
である。
図:IS-rモデル
r(利子率)
↑ S(一定)
| \ |
| \ |
r*|----------\--|
| :\ |
| : \|
r'|----------------\
| : |\I=I(r)
| : | \
0 ―――――――――――――――→I、S(投資;貯蓄)
←―→
NX:貿易黒字
閉鎖経済ではI=Sである均衡点に利子率rが決まるが、しかし
小国開放経済では、世界利子率r*が所与のモノとして経済の外部か
ら与えられるから、この経済が閉鎖されていた場合の利子率r'よ
りもしr*が大きければ、それだけ投資Iが減ることになる。
貯蓄S-投資I=貿易収支NXだから、
「小国開放経済において貿易収支NXは、世界の利子率r*に対応す
るSとIの関係によって決まる」。
------------------------------------------------------------
経済政策と貿易収支
------------------------------------------------------------
----------
■政策の変更と貿易収支
----------
まず貿易収支が均衡していて純輸出が0の場合を考える。
この場合は閉鎖経済と同じくI=Sになっている(ただし利子率
r=r*)。
ここでもし政府が政府購入Gを増やすとすると、S=Y-C-G
だから国民貯蓄Sは減少する。
一方小国開放経済では実質利子率rはr*で一定だから、投資Iは
以前と変わらず、当初I=SであったものがNX=S-I<0とな
って「貿易赤字が発生する」。
これをIS-rモデルで確認してみると、
図:IS-rモデル
r(利子率)
↑ S'← S
| \ | |
| \| |
| \ |
| |\ |
| | \|
r*|----------|----\
| | |\I=I(r)
| | | \
0 ―――――――――――――――→I、S(投資;貯蓄)
←―→
貿易赤字
となり、確かにそうである。
また政府が減税を行ってTを減らしたとする。
減税は消費を喚起するから国民貯蓄Sはやっぱり減少させる。
減税分のいくらかは民間貯蓄にまわって国民貯蓄を増やすが、一
方減税した分だけ公的貯蓄は大きく減るから、トータルでは国民貯
蓄Sは減ることになる。
そうなると政府購入Gを増やした場合と同様に「貿易赤字が発生
する」。
----------
■外国の影響
----------
ある外国の政府が政府購入を増やしたとしよう。
その国(或いは国々)が小国であれば世界利子率r*は変化しない
が、無視できない経済規模であれば世界利子率r*は跳ね上がる。
世界利子率r*が跳ね上がれば、小国開放経済内の投資I=I(r)
は減る。というのも利子率rが上がると金を借りて儲かる商売が減
るから、国内への投資が冷えるのである。
一方国内の国民貯蓄Sには大きな変化がないからNX=S-I>0
となり「貿易収支は黒字になる」。
モデルで確認すると、
図:IS-rモデル
r(利子率)
↑ S(一定)
| \ |
| \ |
r*'|----------\--|
↑ | :\ |
↑ | : \|
r* |----------------\
| : |\I=I(r)
| : | \
0 ―――――――――――――――→I、S(投資;貯蓄)
←―→
貿易黒字
ということである。
----------
■投資需要の変化
----------
政府が投資減税などを行って経済刺激策を取ると、投資関数曲線
がシフトする。
つまり同じ収益を上げるために必要な投資コストが減税分だけ下
がることになるから、利子率r*に対して儲かる投資が増えることに
なる。
そうなると当然投資Iは増え、国民貯蓄Sより大きくなって
NX=S-I<0となり「貿易赤字が発生する」。
貯蓄Sより投資Iが大きくなるのは、海外から金を借りていると
いうことである。
モデルで確認する。
図:IS-rモデル
r(利子率)
↑シフト S(一定)
|\→→\ |
| \ \|
| \ \
| \ |\
| \| \
r*|----------\----\I'=I(r*)
| |\ :\
| | \: \
0 ―――――――――――――――→I、S(投資;貯蓄)
←――→
貿易赤字
----------
■今回のまとめ
----------
そういうわけで、最後に少しまとめておく。
・政府が購入Gを増やすと、国民貯蓄Sが減って貿易収支はマイナ
ス方向に振れる。
・政府が減税してTを減らすと、国民貯蓄Sが減って貿易収支はマ
イナス方向に振れる
・外国が政府購入を増やして世界利子率r*が上昇すると、投資Iが
減って貿易収支はプラスの方向に振れる。
・政府が投資刺激策を講じて投資需要関数が上方へシフトすると、
投資Iが増えて貿易収支はマイナス方向に振れる。
とにかくNX=S-Iを考えればいいということですかね?
(次回は為替の話)
------------------------------------------------------------
近頃のわたくし
------------------------------------------------------------
会社に入って何をしているかというと、実は会社のHPを作って
いたりする(笑)。
入社のキッカケも実はメルマガだし、実にインターネットな時代
ですねえ、、、
ただ一日にペットボトル一ケースも運ばない生活だから、太るこ
と太ること! 松村邦洋さんに近づきつつある今日この頃です。