人口成長の影響
人口成長の影響
/Let's Challenge Economics!/Macroeconomics/N.Grebory Mankiw/ .
mag2 ID:25929
マンキューも読むのでR!
第013回(2000/04/13)
第四章 経済成長
ソローの成長モデル(4)
「人口成長の影響」
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このメルマガは、グレゴリー・マンキュー箸のマクロ経済
学1・2(東洋経済新報社・刊)を中心テキストにし、マク
ロ経済学をゼミ風に勉強しようというメルマガです。BNは↓
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るので、HP上に凡例ファイルを作ることにします。
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■基本式(このメルマガを読むための式です)
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・国民所得勘定の恒等式:
Y(産出)=C(消費)+I(投資)+G(政府購入)+NX(輸出)
・輸出入が無視できる場合→ NX=0
・NX=0の場合、経済の産出高Yは、その経済に存在する生産要素
(資本と労働)と生産技術(生産関数)によって、決定される。
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■一人当たり基本式
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規模の経済性の不変を仮定: zY=F(zK、zL)
労働Lで割ると: Y/L=F(K/L、1)
労働者一人当たりの生産関数f: y=f(k)
ただしk=K/L、f(k)=F(k、1)
一人当たりの産出・消費・投資(貯蓄): y=c+i
貯蓄率をsとすると: c=(1-s)y 0≦s≦1
一人当たり投資i: i=sy となる。
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■資本ストックの定常化(収束)
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減価償却率をδ(0≦δ≦1)とすると、資本ストックの変化は
Δk= i-δk
Δk=sf(k) - δk (∵i=sy=sf(k))
である。Δk=0となる状態を特に「資本ストックの定常状態」と
呼び、この時のkをk*と書いて表す。
i、δk δk:資本の一人当たり減価償却
↑ /
| _――――――――sf(k):一人当たり投資
| / /
| / / ・
| / / ・
| / / ・
| / / ・
|/ / ・
| /_____________
0 k1 → k* ← k2 k
最初の状態がどのような状態であっても結局kは次第にk*に収束
していく。つまり
「一人当たりの産出量yは長期的には貯蓄率(投資率)sによって
決まる」。
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人口成長の影響
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ソローのベーシックな成長モデルでは、貯蓄率sが経済の定常状
態を決定するという結論である。
すなわち高い貯蓄率は高い一人当たり産出高と高い一人当たり資
本ストックという結果を生み、低い貯蓄率は低い産出量と低い資本
ストックの原因となる、、、というわけである。
だがこの説では、途中にいかに高度な経済成長があったとしても、
それは単なる過渡的な現象で、結局経済の定常状態に達するだけだ
と言うことだから、多くの国々で発生している「持続的な経済成長」
を説明しにくいのも確かである。
先進国の貯蓄率は確かに高く、それが経済の高い定常状態を生む
原因の一つになっていることは確かであるが、経済成長はさらに一
定の定常状態に止まることなくさらに持続的に成長しているようで
ある。
その背景にはもちろん先進国の技術進歩の影響もあるのだが、少
産少死化による人口安定化の影響も大きい。
そういうわけでここではまず、ソローのモデルに人口成長の要素
を加えた拡張モデルを考えてみる。すなわち「人口増加の定常状態
への影響」である。
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■人口増加と一人当たり資本ストック
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まず人口(労働者)の増加率をnとする。
年率で人口が1%増加するならn=0.01である。
この時、人口一人当たりの資本ストックは減少する。
限られた資本ストックを人口で割るわけであるから、人口が増え
れば当然一人当たり資本ストック量は減少する。
ここでもう一度記号を再確認しておくと
■一人当たり資本ストック量:k=K/L(t)
■一人当たり産出高:y=Y/L(t)
■減価償却率:δ (0<δ<1)
■一人当たり投資:i
■一人当たり消費:c したがってy=c+i
である。
さて人口がLから(1+n)Lに増加すると、一人当たり資本スト
ック量はどうなるか?
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※ここでn≪1の場合、1/(1+n)-1≒-n という近似を利
用する。
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そうすると一人当たり資本ストック量の変化は
k'-k=(K/L){1/(1+n)-1}
だから、-kn(∵K/L=k)である。
そうすると人口一人当たりの資本ストックの増分Δkは、
Δk=i-δk-nk
となる。
とすると一人当たり資本ストック量を減らさないようにするため
には、(δ+n)kだけの一人当たり投資が必要になることになる。
この(δ+n)kを特に「臨界的投資」と呼ぶ。
つまり人口成長がある経済では、一人当たり資本ストック量を減
らさないために、減価償却分と増えた人口への分け前(拡散分)を
補填するだけの投資が必要になってくるのである。
では人口成長のある場合のkの定常状態はどうなるか?
ここでiは一人当たり産出高yと貯蓄率sの積syで、yは生産
関数fを用いてf(k)と表せることを思い出すと、
Δk=sf(k)-(δ+n)k
となるから、Δk=0となる k* が定常状態である(下図参照)。
i、δk (δ+n)k
↑ /
| _――――――――sf(k)
| / /
| / / ・
| / / ・
| / / ・
| / / ・
|/ / ・
| /_____________
0 k* k
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■人口増加率の大小
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人口増加率の大小は、経済の定常状態にどのような影響を及ぼす
だろうか?
資本の絶対量が一定である場合、人口が増えれば増えるほど一人
当たり資本ストック量が小さくなるのは直感的に理解できる。
上図でも人口成長率nが大きければ、直線i=(δ+n)kの傾
きは急勾配になり、当然 k* は左に移動して小さくなる。
つまり
人口成長率nの上昇
→ 経済の定常状態 k* が減少
→ y=f(k)だから、y* も減少
であるから、人口成長率の高い国々では一人当たりGDPの水準は
より低い水準に留まってしまう事になる。
そして人口成長は資本蓄積の黄金律水準に対しても影響を及ぼす。
すなわち一人当たり消費はc=y-iだから、定常状態での消費
は、
c* = f(k*) - (δ+n)k*
で、消費を最大にするk*の水準(黄金律水準)は、
MPK=δ+n
を満たす場合である。
これは人口成長率nに対し、n=MPK-δと言うことである。
人口成長率と一人当たりGDPの関係(逆相関関係)は、113カ国
を対象とした研究でも確かめられている。
(つづく;次回は技術進歩)