農業は文明を衰退させる?
農業をする動物は人間とアリとハチくらいしかいない。
衣服をまとわねばならない動物も、人間やミノムシくらいしかいない。
農業は地球上の生き物にとって、必ずしも必要なモノでは無い。
たいていの生き物が農業などせず、何万年だか何億年だかも生きながらえている。
そしてまた我々が現在絶対必要な食糧だと考えている穀物だって、必ずしも必要なものではない。
米がない麦がないといって大騒ぎはするが、しかし他の食糧で代替できないわけではない。
我々日本人の祖先だってつい二三千年前までは、東南アジアやアフリカの先住民のように貝やイモや獣肉を主に食べ、そしてそれでしっかり暮らしてきたはずなのだ。
第二次世界大戦中はイモどころかサツマイモのツルまで食べたというし、米が庶民の主食になったのだって実はつい最近の話なのである。
現に今だってドイツ人やアメリカ人の主食はパンではなくジャガイモである。
だから穀物でなければ人々の生活が成り立たない…というわけでもないのである。
我々は今そういう風に原初に立ち戻って、そこから人間や人類の行いについて考えねばならない。
現在の石油エネルギーを前提とする世界の「常識」を少しアンラーニングして、人間にとって何が最低限必要なのかを何度も考え直さねばならない。
そう言う観点から農業や環境を見つめ直さねば、我々は農業問題や環境問題を客観的に捉えることはできないであろう。
農業は文明を衰退させる、そんな危ういモノだったのだ。
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